コメント
|
神田村経由専門書版元 |
父親より年上の資産家と再婚した塩崎早樹はかつて海釣りに出かけたまま失踪した夫がいた過去があった。
ある日元義母よりその夫を目撃したとの情報が入る。
死亡認定も出し、新たな人生を歩み始めた早樹であったが、区切りをつけたはずの過去が迫ってくる。そして新たな事実が次々と判明し失踪の謎に肉薄していく。
知っているようで実は全く知らない夫婦という赤の他人の恐ろしさ、地獄の淵から甦る「人間失格」的な独白に底なしの救いのなさと哀しみを感じた。
舞台となる逗子の母衣山はおそらく披露山をモデルにしたのであろう。