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高崎で気ままな大学生活を送るヒデは、勝気な年上女性・額子に夢中だ。だが突然、結婚を決意した彼女に捨てられてしまう。何とか大学を卒業し就職するが、ヒデはいつ... 続き

コメント

人生のバイブル。
つまずき入り込んだ穴の中でもがき、色彩を失いさまよう中での邂逅。容易ではないけれど、人生はいつだってやり直せると読み返すたびに強く思う。

なかなか絲山作品を読む気持ちになれなかったのですが、読み始めたらあっという間に引き込まれました。さすが絲山作品です。一気に読める量で、しかも読みでがあります、コストパフォーマンスの良い、切り取ることが上手い作家さんだと思います。

田舎の大学生ヒデがアルバイト先で知り合った年上の女性額子との生活から物語は始まります。冒頭にはアレなシーンが多くていつもの絲山作品なのですが、ヒデが溺れてゆく過程が非常にリアルで良かったです。何かに縋ったり、溺れたりするのはどうしようもない部分もありますが、どうしようもなくない部分の描写と、それい至る自身への冷静な判断とだからこそのキツさ部分が良く表れていて良かったです。

相変わらず、閉じた何人かの関係性を描く作家さんの中では私の好みで、今回もヒデと額子、ヒデと同級生、ヒデと額子の母などの関係の距離感やつたないけれど、その形をとらざる得ない部分がリアルでよかったです。とくにヒデが溺れてゆく部分から非常に世界に引き込まれました。

毎回思うのは、いつも絲山作品のオトコには共感できる部分がほとんどでリアルに感じられるのですが、オンナの場合はその作品での重要度が増すほど、「想像すらできない」よりは近くて「リアル」からは少し遠い部分があってその辺が読ませます。今回の額子もそうですが、ミステリアスというよりはちょっとベクトルが違うけれども、その少し先にあるオトコからすると『リアルで無い何か』があってそれが何なのか知りたくなってつい新作が出ると読んでしまいます。

少し変わった、溺れる話しに興味がある方にオススメ致します。

2008年 12月

読者

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