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豊臣秀吉の天下統一前夜。肥後国(熊本)田中城では村同士の諍いの末、一人の男の命が奪われんとしていた。彼の名は岡本越後守。だが、男は潔く首を差し出そうとする... 続き

コメント

この世のある時代に、忽然と現れる魅力的な人。それは、時代に名を残す英雄であるといっていいだろう。加えて愛すべき漢というのは、時とともに露と消えていくのだろう。
ただ真っ直ぐに進んでゆく姿を、粂吉という情けない常人の立場から描いている。「ついていきたい」けれど「怖い」と怯える姿は、読者だ。
大地のような姫に心惹かれる越後守が、愛おしい。
愛して戦って、思いのほかよい人生だったのではあるまいかと、悲しい結末の中ですら思わせてくれる、そんな漢だった。それを人は「莫迦」と言い、慈しむ。

読者

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中路啓太の本