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優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。生まれ育った施設ヘールシャムの親友トミーやルースも提供者だった。キャシーは施設での奇妙... 続き

コメント

何かが違うとずっと読んでいる間ずっと思っていた。内容がではなく、文体というか、何かが。それは解説を読んでそれだ!と納得。
“我々の多くは、書き手があたかも抑制などいっさいかなぐり捨てたかのような、我を忘れて書いたように思える作品に仰天させられることを求めているのではないだろうか。中略、本書『わたしを離さないで』は細部まで抑制が利いていて、入念に構成されていて、かつ我々を仰天させてくれる、きわめて稀有な小説である”
つまり、私が読みたいのは抑制されているものなのだと強く自覚した。それは文学に限らず。
よくある制度をぶち壊そう!という話ではなく、疑問を持ちつつも、受け入れて生きる普通のキャシーが主人公。始まりの話でも終わりの話でもない真ん中の話。
本当に良いものって余韻で決まると思う。この本はとても長く、いい余韻でした。

思い出すと、一人の夕方に切ない気持ちになった時みたいになる。

普段は本や映画で心を揺さぶられることなんてあまりないのだけれど、これは珍しく泣きそうになった。

「それは、時間切れ、ということです。やりたいことはいずれできると思ってきましたが、それは間違いで、すぐにも行動を起こさないと、機会は永遠に失われるかもしれない、ということです。」

全てを知った後、このセリフが何よりも重く感じた。

ものすごく衝撃を受けた一冊。
読む前と後で、自分の中の何かが確実に変わったと思う。
ドラマ化を受け再読中。

人が生きていくのに必要なものって、主人公が子供時代に大切にしてた宝箱(+ささやかな思い出)なんじゃないかって思いました、どんな人にとっても…。

しんじられない宿命を、静かに受け入れて生きる子どもたちが育ってゆく話。あってはならないけど、この世界のどこかに在るのかも、ヘールシャムはそんな不思議な場所。

じわじわ、じわじわとくる本。文庫版よりハードカバーの重さがマッチするけれど。

登場人物たちの思い出話は、僕らの青春時代をくすぐり、その空気感を1冊の小説に漂わせる。子どもから大人になるときのちょっとした怖さ、慣れとかそういうの。リアルだけど、どこか浮世離れしてる不思議な物語。

誰かのために生まれ死んでいく「使命」を背負わされた「クローン人間」たちの物語。
臓器を提供するためにクローン人間が作り出されるなんて非人道的だとはわかっていても、自分の子供が、配偶者が、親が、友人が、不治の病に罹った時に同じことを言えるか、と問われると頷けないかもしれないと思った。
ドラマ化がきっかけで読んだ作品だけど、個人的にはドラマの方が好きかも。

凄まじいテーマ。抗えない力。いつかこういう世界になりそう。カズオLOVEやで。映画もよかった。大号泣。離さないで、って強く思う。

「人間らしさ」が人間の特権だと思うの、いいかげんやめよう、と思った。
最初は人間の真似でも、けなげに人間らしさを追い求め、最後は文句ひとつなく使命に殉じる人造の人間たちは愛おしく、胸がしめつけられました。

なぜかこの小説を、SFとか倫理観とかの目で見たくないんです。愛と青春。

女の子の微妙〜な心の機微とかひだとかみたいなものを、男の人がどうしてここまで書き切れるんだろう。不思議。
登場人物たちの境遇は切ないし理不尽だし暴力的だけど、人間はだれだって確実に終わりに向かってるよなあって思った。
原作を読んでからドラマを観たけれど、婉曲的で淡々としてて分かりづらいところもある原作を、かなり意欲的に再編集したんだなあと驚いた。

普通の小説だったら大騒ぎになって主人公が大泣きするような事実を、どうしようもない現実として淡々と静かに受け止めている無力感が好きです。他の方も書かれているけど、じわじわと余韻が素敵な小説。再読したい。

どんどん便利になる世間の裏を垣間見るような異彩を放つ作品。
鳥肌が何回もたちました。
物語の構成もさすがという印象でした。

驚くほど精巧に創られている作品。
全ての伏線がきっかり回収されており、それもごく自然な描写で行われているので、気が付いたときには全ての真相が読者の手の中にある。
そうして手にした真相を前に、読者はただ茫然とするのだ。

切なさとか、愛おしさとか、懐かしさとか、そういうものが残酷なまでに美しく描かれている。
特に少女時代のキャシーとマダムの邂逅は作品の中でも一等印象に残った場面である。
マダムの涙の理由を知るのはもっと後のことだが、キャシーが「わたしを離さないで」と歌いながら部屋の中を歩くシーンは、マダムでなくとも感じるところがある。

カズオ・イシグロ氏の作品を拝読したのはこれが初めてであるが、とても良かった。
作品の世界に静かに浸りたい人にオススメ。
また別の著作も購入してあるので、時間がある時に読みたい。

密かな告白がじっとりと熱を持っていく。語られる相手を想像してみると印象が変わってくる。
読後感の情景は切なく綺麗。

読者

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カズオ・イシグロの本

浮世の画家

浮世の画家

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mia

つぶやきは基本的に内容が\ナイヨ…

「あなたと同じ日に生まれた著名人の本」として友人からの誕生日プレゼントで手にした本。 実際には1つだけであろう場面を、これまで主人公が関わってきた人たちとの記憶を思い出して、色んな場面に展開していく。 こんなことがあった、あんなことがあったと、悪くいえば話が進まない。きっとこの主人公との会話は本当に止まらないんだろうと思う。

3か月前

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忘れられた巨人

忘れられた巨人

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おめめ

主に鯖管のエンジニア

舞台はアーサー王の死去からそれ程年月の建っていないブリテン島。鬼や竜が出てくるのでファンタジーの部類ですが、丁寧な風景の描写によりスルスルと古代のブリテンに引き込まれます。 国が、個人が閉じたコミュニティに向かい過去の清算を望むなら、忘れられた巨人を揺り起こすのかもしれません。そんな時この老夫婦の様に互いを受け入れ愛するには何が大事なのか、ヒントを貰った気がします。

9か月前

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充たされざる者

充たされざる者

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さそり座

本当にずっと充たされない。 邪魔が入ったり他のこと思い出したりして何にも先に進まない。眠れないし食べられない、気持ちは焦るばかり。 初対面と思っていたら知り合いだったり、遠いはずの場所と場所が繋がっていたりするところが夢の中の話のよう。 聞こえるように嫌味を言われたり、自分だけが把握していないことがあったりして窮地に立たされる悪夢を見続けている感じ。 充たされそうな場面で終わるが、それもちょっとあやしい。 元気な時に、なるべく広く日当たりのいい場所で読むのが良いかもしれない。

10か月前

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わたしたちが孤児だったころ

わたしたちが孤児だったころ

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Ryuji

楽器メーカーで、音楽関係の仕事を…

ミステリーと幼年期の淡いノスタルジアが並列で描かれ、最後に現実と直面する。現実に放り出されてからの人生(親から離れ孤児になること)が本当のスタートなのだ。

約2年前

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