コメント
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なし |
正常って、なんだろう。
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もともと読書メーターでレビューを… |
率直に大変面白かった。芥川賞作なのに。周りの人に協調できない恵子は「企業の歯車になりたくない」ではなく、逆に「世界の正常な部品になりたい」と切望する。コンビニを「光の箱」と形容し、そのマニュアルの中で生きることがこの上ない幸せならば、37歳で独身・フリーター・処女だからって、世間との違いを気にせず好きに生きればいいのではないかと。が、かく言う私も「普通」の枠を押し付けて、経歴や性格から色々と憶測する人間だったと自戒。センス溢れる文体を維持しつつ、時に滑稽な描写で高いリーダビリティを実現している点も素晴らしい。
彼女がコンビニで働けない日がきたときに、彼女は何をするのか。
コンビニ人間としての死は彼女の人間としての生にどう影響を与えるのか。
小説ではあるけれど描かれない未来の姿に非常に興味が湧きます。
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教育と心理の仕事。1987生 |
これはすごい。クレイジー沙耶香と呼ばれているのも納得。クレイジーでありながら他人とは思えない主人公に共感。我々は排除されないために、行動を選択しているところがある。
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674人 |
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変半身
いつからかわからないのだけど、確かに幼い頃、今生きているのは、生かされているのは「期限付き」なのであって、何か悪いことや失敗をすると、「えーと、じゃあ終わりね」と宣告されてしまうものだと、和式トイレにしゃがんでお腹を一人さすっていたのを思い出す。 とうぜん今はどうしてそうなっていたのかわからないのだけれど、その時は「そう」としか言えない、身体で諒解していたわけで、信じるというのはそういうものだ。 村田沙耶香『変半身(かわりみ)』。どう言えばいいのか、言葉に窮する。とてもラディカルだけど、心地よいのは何故なのか。「本当」というベールを何枚も何枚も脱ぎ捨てて、別のベールを被っては信じるの繰り返し。どうしようもない人間が「ポーポー」叫び倒す。その先にあるのは全く同じ構図で、タマネギの皮よりタチが悪い。 村田沙耶香の小説は『コンビニ人間』しか読んだことはないけれど、残酷さをさらりとむきだしにするから、とてもある意味で倫理的な現象を読者に換気する。自分が倫理的な存在なのだと気付かされる。 『コンビニ人間』も『変半身』も人間についてのはなしだ。小説はだいたい、人間についての話だけれど、正確にいうと、人類、ヒトについての話だ。どこか生物学的で、文化人類学的で、種としてのヒトを扱っている。だから、村田沙耶香の描く人間は強い。次々に別のものを信じていくしかないどうしようもなさは「弱さ」ではない、むしろそこにあるのは種としての「強さ」だ。 ひょっとしたら、僕が語ると次々に出てくる「本当」にクラッシュして、皆が手を繋いで海に飛び込む人間を描いてしまうことになるかもしれない。けれど、種としての人間はそんなことをしない。だから、村田沙耶香のこの小説は、「人間を脱ぎ捨てる」にも関わらず、とってもヒューマニズムな小説で、面白い。 ちなみに『人間が終わる』ということについて僕は別の方向があるのではないかと思っていて、それは中沢新一とかそっち側に何かあるんじゃないかと思っている。備忘録ついでに。 |
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消滅世界
2019年113冊目。 |
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ラヴレターズ
西川美和さんの恋文にジンときて、壇蜜さんにはゾクッとさせられ、松尾スズキさんに、ほほうとなった。俵万智さんも素敵。 |
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地球星人
◎ 恋愛は人間が繁殖するためのシステム |