519ymkrj60l

『猫は煙を気にする様である。消えて行く煙の行方をノラは一心に見つめている。…「こら、ノラ、猫の癖して何を思索するか」「ニャア」と返事をしてこっちを向いた。... 続き

コメント

百けん先生が、飼い猫のノラが居なくなって、やれノラは風に吹かれて寒かろうとか、どこそこにノラらしき知らせがあったが違ったなど、ノラに振り回されている日々を、ノラや、ノラや、と記したただそれだけの本。でもさすが百けん先生、ユーモラスで和む読後感。

ノラやクルへの溢れんばかりの、というより溢れすぎてちょっと滑稽に思えるときもあるくらいの、愛情が伝わってきて、猫の同居人として涙なしでは読めませんでした。人前では読めない。

読者

2a40b4b2 0078 44a6 9123 1ebad6a3b33e137afbb3 82c6 4043 8153 60142d4591a3Cee9898e 9704 47ce 97e2 a3a55b47bfd7D2c5fcb0 0448 4e7d af7e 92dd913953b4C0f655d8 2708 4387 8151 aef6b5d7e746 5人

内田百けんの本

東京日記 他六篇

東京日記 他六篇

5dbe0e4b bc3f 440a b73e c5fedd4f340f

cobo

昔の記録に

私は内田さんの本は僅かしか読んだ事ありません。中でも強烈な印象として「ノラや」と「御馳走帖」というごくごく初歩の者なのですが、少し感想を書き込んでみたいと考えます。あくまで私個人の感想です。 どの話しも僅か3ページくらいの短さで、この面白さ、ヒロガリ、放り方は絶品で、語り手である「私」に降りかかってくる奇奇怪怪な物語の連作短編です。東京の普通の町並みの中に、突然、しかも大きな意味を感じさせないで、奇怪な生き物や、ちょっと不思議な出来事に巻き込まれる私の話しなのですが、その飄々とした感じと可笑しくもあり、不思議でもあり、出来事に対してとても冷静な観察をしつつ、放り出されるかのような話しの切り方にもまた、複雑な余韻を読み手に残し、楽しませてくれる素敵な短編集です。 私個人としては、「ノラや」の内田 百閒さんを「私」と想像しながら読んでしまったので、どうしても可笑しみのような(哀愁漂う老人でありながら、ひとつの執着にとことんダメになってしまう「私」を想像してしまい)ものをより大きく感じてしまい、とても楽しく読みました。 東京のとてもよく知られている地名(三宅坂、数寄屋橋、麹町、有楽町、銀座、市ヶ谷、麻布十番、雑司が谷、神田に果ては丸ビルまで!!)が出てくる為にどうしてもその場所を思い描き、さらに、そこへ内田 ノラやの頃のような女々しくも可笑しい 百閒さん=「私」を想像してしまい、描写なんて詳しくないのにとても細かく想像してしまいます。生死に係わるような出来事ではないのだけれど、不思議でちょっと普通ではいられなくなるような出来事であるのに、平然と観察して受け入れてしまっている百閒先生の東京案内のような、それも自分に語りかけるような(だからこそ説明を省き、自身が思い出されれば良いかのような書き方、つまり)日記なのです。日記と表記する事でより自然にこの不思議な感覚の文章になじんでいけたのだと思います。 また少しばかり妖艶な話しをとぼけた味わいにしてみたり、物騒な事件を混ぜてみたりと、とにかく独特の語りで読後感です。奇奇怪怪な出来事が生み出すちょっとした、日常を少しだけ「ずらす」事による可笑しさを、原因をはっきりさせないうやむや感が醸し出す雰囲気を、そしてそんな「東京日記」を読んだ私たち自身の生活のふとした何気ない瞬間を意味ある、笑える、想像させる自由の楽しさを生み出すキッカケになる、そんな短編集です。 私の特に好きなお話しは、銀座のとんかつ屋さんと稲妻の話し、箏(こと=楽器の琴)の練習と連弾のお話し、目玉の味と簡単なつくりの耳のお話しです。昔話しみたいなのに昔話しでない、妖怪のせいにしそうでしない、東京案内のようでいて日記な、そんな短編集です。人は他人の日記を読むのが好きです、あなたもきっとその楽しさを味わえます。心にゆとりを与えてくれる(奇奇怪怪を楽しめる)そんな状態にしてくれます。 東京に興味がある方も、ない方も、不思議な世界を垣間見てみたい方に(その原因を突き止めたり、単純な冒険活劇をお求めの方はどうぞハリウッド映画を観ていただくとして)オススメ致します。 2008年 7月

1年前

38aecb1e ab6d 44a9 8407 9f126a093a21101f1fe9 aebc 4e49 9b39 0cd04b237a21871870e0 8aa8 44a7 916c b2afb52a041e
冥途

冥途

5a455112 21e8 45b5 b48b 6f853b4c2745

La gazette du Livre

とても偏愛に満ちた書籍ばかりを連…

パロル舎から刊行された画家、金井田英津子さんの3部作のひとつ。妖しの絵に惹かれながら冥途の旅を。

約3年前