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難民問題、テロ事件、差別の歴史…。世界は混沌としていて、人生はほろ苦い。だけどパリのおじさんは、今日も空を見上げる。軽くて、深くて、愛おしい、おじさんイン... 続き

コメント

「おじさん眼」には自信があるという著者が、人種のるつぼのパリへ。競馬を楽しむおじさん、職人気質のおじさんなどなど、いろんなおじさんに出会って話を聞いていきます。パリの地下に潜るのを趣味としているおじさんは、とっても愛らしい。
でも、テロ事件はもちろん、難民問題、差別のことも避けずに耳を傾ける。ほんのちょっとしたことが生死を分けたとか、何十年も経った今でも後悔として残っているとか、ほろ苦い思い出もあって、おじさんたちの半生をもっと知りたくなりました。ただただ誠実に話を聞いて、それを綴ったんだなという印象です。
難民と移民の違いなど、日本に暮らしているとピンとこない話題は解説付き。
人はなぜ学ぶのか。博士になるためではなく、世界を理解するため、自分で考えるためだと語るおじさんは、毒ガスでフセインに村を破壊されたのだという。もう戦争はうんざりだと語る、穏やかな声まで聞こえてきそうです。

おじさん好きを自称する金井さんとパリ在住の案内人広岡さんのパリ、おじさんを訪ねる旅。
一見軽い調子に見えるが、実際にはテロや移民問題で揺れるフランス、パリの現在が垣間見える貴重なレポートで、一人一人のおじさんとの触れ合いに「多様性」という言葉が何度も頭に浮かぶ。
みんな同じフランスという国に住んではいるけれど、人種も宗教も職業も年齢もばらばらなおじさんたち。
どの人にも語るに足る物語があり、どの人も自分らしく生きるという気概を持ち、どの人も人に優しくすることの大切さを知っている。
もちろん人選の妙はあるとは思うけれど、あとがきにあった案内人である広岡さんの
「この旅は、人間というもの、生きるということの破片を集める旅だった。」
という言葉が本書の本質を表しているような気がする。

読者

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新刊

戦争がつくった現代の食卓-軍と加工食品の知られざる関係

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Toru Omae

欧米ミステリを中心に読んでいます…

作者は元々はいわゆる意識高い系の人。料理も極力手作りし子供達をファーストフードに連れていったりもしない。しかし一から全てを作ることは現代において不可能であることに気がつき加工食品の研究を始める。そして現代の加工食品の多くが軍が戦闘員に持たせる糧食の研究から生まれていることを知る、という内容。この手の本にありがちな加工食品を全否定、という立場ではなく純粋に加工技術そのものやその歴史について興味深く取材しまとめているところが共感できる。それなりに専門用語が羅列してあったり一見とっつき難い印象だが以外とさらっと読めてしまう。合衆国において軍の研究というものは国家の金が大量に注ぎ込まれておりそれが民間向けの製品に応用されるという構造は共産国のそれとそんなに変わらない、という指摘にはなるほどと思わせられた。

約11時間前

売春島 「最後の桃源郷」渡鹿野島ルポ

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Toru Omae

欧米ミステリを中心に読んでいます…

そんなに風俗好きというわけでもないのだが性風俗ものには未知の世界を覗いてみたいとでも思うのか…何か心惹かれるものがあって。知らなかったのだが三重県の志摩半島辺りに主要産業が売春という島があるそうでそこのルポタージュ。元々、江戸時代から帆船の風待ち場所となっていた島だそうで船乗り相手の売春が大昔から行われており、そういった行為にあまり抵抗のない土地柄ということに目をつけたヤクザが開発したところらしい。起こりはそうでもすぐに主導権を握ったのが実は女性達だったというところが驚き。島だから見張りやすいということもあって男に騙されて売られてきた女の人がかなりいたということにもっと驚き。世の中汚いことがまだまだいろいろあるんだなと。まだ娯楽が少なかった時代に大いに賑わい、娯楽の多様化と共に衰退していった島について歴史と現状が淡々と描かれていて興味深かった。

約11時間前

フォールアウト

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Toru Omae

欧米ミステリを中心に読んでいます…

邦訳される度にとりあえず手に取る作者の一人。シカゴの女性探偵のシリーズ。本作ではいつものシカゴを離れてカンザスが舞台となっている。黒人女優の草分けと共に姿を消したいとこを探してほしい、という依頼を受けてカンザスを訪れた主人公、女優が自らの生い立ちをドキュメンタリーでまとめようとしたその過程でタブーに触れてしまったのだろうと気づくのだが、という話。冷戦時代のミサイル基地があった田舎町でいつもと勝手が異なる状況のなか奮闘する、という話なのだが…正直言ってちょっと冗長では、という気もした。登場人物が多過ぎるのでストーリーがこんがらがって最後の会話で全て整理する、という流れは少しいただけない。力があって優れた作者の作品だけに少し残念。次作に期待。あと、くさしついでに言わせてもらうとこの安っちいイラストの表紙もいただけない。少なくとも僕のイメージしてる主人公とは全然違ってこれも興醒め。

約11時間前