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生まれ育ったあの頃の仙台に触れたい時に、時々読み返したくなる作品。伊坂作品とはまた趣きの違った文芸で知る仙台。

読者

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熊谷達也の本

調律師

調律師

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マシマロウ

若い頃は若い連中が読まないものを…

音という刺激を受けると、聴覚と嗅覚が同時にはたらく「嗅聴」という「共感覚」を持つピアノ調律師が主人公の短編集。 主人公は、ピアノの生音に対してだけこの感覚が発動するのだが、その感覚を利用して、ピアノにとどまらずその持ち主の問題までも「調律」していく。 七編中、五編目までは。 六編目で、大きな方向転換がある。 それが、2011年3月11日の「あの日」が、この物語をぎこちなく歪めてしまう。 七編目で、停滞した物語は再び動き出すのだが…。 熊谷達也さんは、仙台市在住とのこと。同じく仙台在住の伊坂幸太郎さんは、「あの日」のことを書かないと宣言している。熊谷達也さんは書くことで、自らの作品に亀裂が入ることもいとわなかった。どちらも、苦渋の決断の末に生まれた覚悟だろう。

約2年前

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潮の音、空の青、海の詩

潮の音、空の青、海の詩

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あや

ヴィオラを弾いている東京の大学生…

仙河海サーガという、宮城県の仙河海を描いた小説シリーズの四作目だそうだが、私にとっては初の熊谷作品だった。 三章あるうちの第二章では、SFという形を以て近未来の被災地が描かれている。当然フィクションであるが、私にとってはルポを読むよりもメッセージ性が強く、読んでいて正直しんどかった。帯にもある通り、筆者の復興への思いが小説でしかできない方法で表現されていた。 後世に残されるべき一作だと思う。

3年前