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十数年前インドで消息を絶った兄が残した「智慧の書」。そして亡霊のごとく現れては消える兄-。不動産会社に勤める隆は、吸収合併した社内の空気に馴染めず、同僚か... 続き

コメント

文庫版にて「イモータル」に改題された本書。
immortal、すなわち不滅となり、受け継がれてゆく智慧とその媒体となる本にまつわる物語は時と場所と語り部を次々に変え、そして戻る。いや収束する。そこはかつてのインドであり、アレクサンドリアであり、パリ、東京である。
漠とした物語だと思う。どんな小説なの?と問われて、ストーリーを語ったところでこの物語の滋味は非常に伝わり難い。
だが、地に打ち伏した目を夜の闇と光る星に向け、「堂々としていろ」と背を叩かれる。すべての先達からその智慧を受け継ぐことを、何度でも顔を上げ、胸を張り、語り継ぐことを呼び起こされ、促される。それは確かだ。

読者

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萩耿介の本