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遠く隔絶された場所から、彼らの声は届いた-慎み深い拍手で始まる朗読会。祈りにも似たその行為に耳を澄ませるのは、人質たちと見張り役の犯人、そして…。人生のさ... 続き

コメント

日常に埋もれて見失ってしまいそうな細やかな美しさに小川洋子さんはコトバを使い息吹を吹き込んでくれる。短編集のようでありながら、これまで関わりあいのなかった人達が人質という形で出会い語っていく各々の話。どれも美しくて人の数だけ物語があるんだと思わせてくれる。

悲惨な現実を前提に語られる、どこまでも密やかな幾つかの話。

読み終わったあと自分の今までを考えました。

まさに小説家の面目躍如という8つのお話たち。いや、誰もが一つくらい語れる物語があるはずだと思わされる。美しい。

非日常の真ん中で、日常を語り出す八人の人質。其れらの物語がどれも面白くて、胸に響き渡る。

各々の「自分の中にしまわれている過去、未来がどうあろうと決して損なわれない過去」を書き起こし、聴衆の前で朗読する。なんて素敵な試みだろうか、その場が人質として監禁されている小屋の中でなかったとしたら。
日本の裏側で反政府ゲリラに拘束され人質となってしまった日本人らによって語られるそれぞれの過去・思い出。誰かを一生懸命助けようと奮闘した過去、現職に就くきっかけとなった出来事、その後の人生の支えになった1日、と朗読される思い出は多岐にわたり、危機的状況で語られているということも忘れてしまうくらいに暖かい。しかし彼彼女らの背後に流れている気配は言うまでもなく「死」であり、それ故にこそ読者はより彼彼女らの声に耳を傾けてしまう。
読後、しばし考え込んでしまった。自分にもこのような「思い出」があっただろうかと。たとえ語られなくとも、自身の中にしっかりと位置を占めているそれがあるだろうかと。

前提が凄い。
きっとこの設定が無ければこんな静かな気持ちになれないだろう。

現在、未来がどうであっても、過去は変わらない。ここで語られた物語はどれも人生のほんの一瞬を切り取ったもので、語られる事になった背景がより物語を湿らせいい香りがした。一編一編は一片一片、蟻が私の心に運び込んで優しいきのこを育ててくれている。

リトル・プレイヤーズ。

小川氏の作品は独特な引力がある。そしてその引力の産物は暖かい絶望。

読者

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小川洋子の本

ミーナの行進

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ノノハル

my本棚の前で立ち読みしてしまい…

思い出は、人生の宝物になる。 ゆっくりとミーナとの生活が語られていきます。オトナの事情も、子供の目線で。日々の生活が優しく丹念に描かれています。

10か月前

ことり

ことり

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tomomi

からだの本、科学の本、随筆、小説…

何気ない日常の描写の中に不思議なくらい引き込まれていく。

11か月前

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