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コメント

なんなんだ‥なんなんだこの筆致!!小川さん好きすぎます。美しくて儚くて、さらさらと響く一文一文。心の乾いたところが潤っていくタイプの文体ではない‥もっと切ないんだけどすごく心地よい。そんな紡がれ方の恋愛小説です。

感性が揺さぶられる一冊。
物語が始まると、終わりまで見事なまでに美しいと形容できる文章が続く。
静けさに沁み入るような、ファンタジーの世界を漂うような、とにかく一文一文が心に響きわたる。
ある意味、研ぎ澄まされた耳を持つ主人公と、稀有な感性が備えた指を持つ速記者が触れ合うのは、重厚だかどこまでも静謐な音楽のよう。
クラシック音楽でも聞いているのではないかという感覚。目で味わう神秘的なメロディの世界。

やはり小川さんの作品においては、こころが身体と深く結びついていると感じる。
ところで、香水を耳の後ろに付けるとき、わたしにとってそこは"体温の高い部位(=香りやすい部位)"でしかない。だから、香水が耳の後ろにつけられる理由を「身体の中で一番奥ゆかしい場所だから」なんて考えたことはこれまでただの一度もなかった。

「はっきり確定できない抽象的な場所から漂ってきた方が、香水は魅力的だもの」
「耳の後ろって、あらかじめ失われた場所なんだわ」

すごい。

静かな世界観の中で哀しみも小さな喜びもきゅっと詰まっている。読み終わったあとにいつまでも深く印象を与える作品。小川洋子ならではの爽やかで淋しい読後感がとても好き。

読みながら、何故だか村上春樹さんの「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」の「夢読み」の世界と錯覚するような感覚に襲われた。静謐な世界、それでいて記憶を結びつける“指”と“耳”という器官がとても官能的でもある。そんなバランスが少しだけ落ち着かなくさせ、読む手が止まらなくなる。

耳について、「耳の存在を意識しなかった頃」というような表現にぐっときた。指に対する執着。執着と愛は同義であると感じさせられる。160805

心の中に無遠慮に、しかし優しく溶け込んでくるような恋愛小説。ノスタルジックな雰囲気のまま最後まで続いていく小川さんの傑作だと思います。この様な小説は初めて読みました、とても面白かったです。

読者

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