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コメント

今の私たちの暮らしはインターネットと繋がることが当たり前になっている。
食事をする店を選ぶのも映画の時間を確認するのも場所を探すのもインターネット頼み。
見知らぬ人々によって作られた評価でその価値を計測し、なんとか平均以上の幸せを手に入れられるように検索に励む。
一方で他人を、モノを、あらゆるコンテンツを、自分にはジャッジする力があると考えるその傲慢さ。

ストーカーに狙われていた婚約者が姿を消し、その行方を探す主人公。
ストーカー、失踪、そんな犯罪、事件を思わせる出来事の裏に、他人をジャッジすること、されることの恐ろしさが潜んでいる。
そして下された評価に振り回されて、自分で物を考えること、自分の下した価値判断を信じることが出来なくなる愚かさ。

読後、自分は誰のこともジャッジせず、自らもジャッジされることのない、できる限り目立たない、ありふれた、その他大勢のひとりでいられる世界にいたいと心から思った。

その他のコメント

何が正しい「傲慢」なのか、確かに傲慢だけれど。
プラスな言葉であるはずの「善良」の持つ意味。
この本の登場人物で一番嫌いな人と一番好きな人を選んでください。
そういう、質問があったらあなたは誰を選びますか?
誰の「傲慢」を許す事が出来て、
誰の「善良」を疎ましくおもいますか?
多分誰もが、いくつかの何かを思い出し、心が痛くなる作品です。

高校生の頃、辻村深月には何度も救われた。そんな気持ちはもう味わえないと思っていた。

でも、この本は大人のために書かれた、間違いなく大人のための青春小説だった。

一番心強かったのは、主人公が周りの言葉に流されないこと。勿論、人の言葉に揺らいでいたが、人の評価は所詮あてにならないということを示してもいた。

読者

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辻村深月の本

きのうの影踏み

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おひさま

活字中毒の書店員

ホラーというより、身近に潜む小さな謎のような怪異の短編集。 永遠に真実が分からないまま日常に埋もれていってしまうようなちょっと不思議な出来事たち。いつか子供の頃放課後に友達と噂をしてキャーキャーと騒いだ思い出とふと重なるような小さな怪談はどこか懐かしい。

4か月前

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