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日本は世界で唯一の「情緒と形の文明」である。国際化という名のアメリカ化に踊らされてきた日本人は、この誇るべき「国柄」を長らく忘れてきた。「論理」と「合理性... 続き

コメント

目先の結果を求めるような諸外国の考えでは日本独自の良さは消滅する
武士道やわびさび 独自文化を残せる教育体制を求めたくなる

その他のコメント

いつもとても示唆に富んだ友人がオススメしてくれたので、読んでみました。私の勝手な先入観として非常に躊躇する帯の巻かれた本だったので敬遠していたのですが、読んで良かったです。ちなみに帯には「すべての日本人に誇りと自信を与える画期的日本論」と書いてあります。私が嫌悪したのは「すべての日本人に誇り」というところです、日本人だからというだけで誇りを持つことに違和感を覚えたのですが(つまり斉藤美奈子さん命名のオヤジ慰撫史観に近いものではないか?という先入観です)、少なくとも読んでないで批判するのは良くないですし。また、当然ですが深く納得できるところもたくさんありましたが、ちょっと?という部分もありました。

著者の主張をかなり強引ですが、まとめると

1 「論理」だけではどうにもならないものがある事を考慮に入れよ!

2 「自由」、「平等」、「民主主義」は完全なものではない!

3 「情緒」や「形」を重んじる日本は特別に素晴らしい!

4 だからこそ「論理」だけではなく、日本古来の「武士道」の世界的普及を目指せ!

という主張だと私は感じました。またその結果日本という国家の「品格」を取り戻すことができるのではないか?という結論に至っています。

まず1の点ですが、私の個人的感想ですが、確かに「論理」だけではどうにもならない話しは多いですし、また極めて重要な部分であると思います。だから同意するのですが、例えとして藤原さんが出す例があまり納得できませんでした。藤原さんは「論理」には限界があることや、論拠となる出発点は常に仮説であることをその理由に挙げるのですが、私はだからこそ、もっと「論理」を徹底しなければいけないのではないか?と思うのです。近代合理精神の限界という言葉は大変に綺麗に気持ちよく聞こえますが、合理精神の限界には程遠い説得の仕方であると思います。論拠である出発点に対して他者が疑念を持ち検証する「論理」は絶対に必要ですし、自身の論拠の出発点を懐疑性を持つことが正しい結論を招く確立を上げるのに必要不可欠であるのは見過ごせない点です。どうしてか、藤原さんは「論理」の重要性を認めつつも「論理」以外の重要性に重きを置きすぎて「論理」を棄ててもよい、という文脈に聞こえてしまいます。その点が少し残念に感じました。

次の2もそうなのですが、「自由」や「平等」や「民主主義」を疑うことも私は同意できますし、納得します。自由や平等は常にぶつかり合うものですから、当然です。しかし、だから自由や平等が必要ない、というものではないと私は考えるのですが(もちろん藤原さんも要らないとは文章上書かれていらっしゃいませんが)、文脈的には要らないという主旨に読めるところが、気になります。また独裁者を生むのも民主主義であるから、また未来永劫国民が成熟する事は無いから、だからエリートが必要なのだとのも少し乱暴な極論なのではないか?と思います。もちろん民主主義は欠陥の多い制度ですが、それでもそれ以外の制度よりはマシだからこそ民主主義を採用しているわけですし、エリートだって必要です。ただ、永遠に国民が成熟することは無いからこそ、もっと「論理」的試行錯誤が必要なのであり、議論を通して主権者である国民が国家をコントロールし、監視することが必要なのではないか?と思います。

3と4も同じで、当然主旨は賛成なのですが、どうもそのことを必要以上に強く主張し過ぎているので、日本人に根拠のない誇りを与え、「論理」的思考をないがしろに(「論理」が重要なことを認めつつも文脈として「論理」を棄てても良いように受け取られた結果)した挙句に、日本以外を見下すように感じ取らせるのです。文脈の端々に「私が愛する日本が世界を征服していたら」とか「(産業革命がヨーロッパに起こってしまったせいで近代合理精神がはびこり)私のような愛国者にとって、我慢のならない状況が続いてきた」とか言う発言を繰り返している藤原さんが自分のことを愛国者と呼ぶことに非常に違和感を感じます。とくにナショナリストとパトリオティストを使い分け、自身をパトリオティズムであると発言しているのには都合の良い解釈だと私は感じます。欧米に負けたことに対するルサンチマンから発しているように見られますし、敗戦の結果を踏まえての考えというより、負けた事実を受け入れられない度量の狭い意見に感じられる言い回しが多すぎるように感じました。

小さなトピックとして同意できる部分は大変多く(卑怯という概念を憎むこと、小学生には英語ではなく日本語を、ナショナリズムではなくパトリオティズムを)、また結果についても同意できるのですが、その論拠が弱く、しかも都合よく、そして文字に書かなくても文脈的に極論をたきつけることで成熟しない国民を煽る危険性を考慮しない部分に不満はありますが、主旨には賛同します。ただ、この本を強く周りの人々に薦める方に(強く、にポイントです)論理的思考を嫌悪し、いわゆるマッチョな思考を持つ保守的な方々がスッキリするだけのような気がします。そんな方にこそ、もっと「論理」的に考えてもらいたいのに。なんとなくですが、近所のちょっと人は良いけれどお酒が入ると同じ説教を繰り返すオジサンの戯言に聞こえてしまうのではないか?と思うのです。

著者も明記しておりますが「品格」の無い著者による「国家」への「品格」を求める本です、柔軟な考え方を求める人にはオススメ致します。

2009年 3月

いま日本に必要なのは、論理よりも情緒、英語よりも国語、民主主義よりも武士道精神であり、「国家の品格」を取り戻すこと。

読者

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