51z4gdvjbrl

コメント

幻想小説なのか、ディストピア小説なのか。

「理性」が問われていた時代。人々が活字を欲し、娯楽を欲し、小説を欲していた時代の小説。
理性或いは論理が暴力的に主人公に襲いかかる。全く了解不能の論理によって主人公たちは窮地に陥り、そして絶望へ至る。
この物語を通してどういう体験があったかはっきりと言語化するには自分の読書力が不足している。
しかし、物語として奇妙でおもしろい。

p.126『両極という概念・・・(中略)北極と南極との関係がそのいい例です・・(中略)みなさんの部屋もそれに対する極としての世界の果を発見することによって、はじめて真の世界の果たりうるというわけなのであります。』(pp.127)
『この両極という新しい性質の附加にもかかわらず、世界の果てへの出発が壁の凝視にはじまることには変わりないということ、そして旅行くものはその道程を壁の中に発見しなければならぬということ・・』(p.128)
『考えるは休むに似たし』(p.141)

その他のコメント

この人の想像力と論理展開の凄い事といったら。
並大抵の論理思考じゃその発想にはついていけない。

次から次へと展開される常識的にはおかしいけれども論理的には正しい物語の数々。
そしてそこに共通するのは主人公が何かを失うということ。

名前、影、体、家、心。

どれも孤独が付き纏うその物語は私を惹き付けて止みませんでした。

今と、これからの人間社会へのアイロニーをメタファーで表現した作品のような気もします。
受け取り方は様々かもしれませんが。

1番好きな作家は安部公房なんだと思う。どのタイトルもその世界観が好きでずっといたくなる。シュールでひんやりしてしいるが不条理のなかで葛藤する主人公を応援してしまう。

読者

99354e61 4d30 4c31 a1b8 7e53f20a42adF3aeaf87 f584 4dda b877 04b3a955785fBba98bee dc8a 4928 b105 a6ee52d0ce9bIcon user placeholder64e50687 d69c 4a16 9e02 a2dc2e49048aE7245062 a26c 4832 b620 d50414471cdd00a6cf1a c5e2 4331 ad04 f26bd088f920B38ceb62 249d 4590 8bf7 ae62ad84189a 44人

安部公房の本

題未定―安部公房初期短編集

題未定―安部公房初期短編集

64e50687 d69c 4a16 9e02 a2dc2e49048a

HSSISOLATED

人生で何度目かの読書熱

気に入ったのは虚妄、題未定、鵜沼。 恋人関係寸前の男女が登場人物として出てくることも多い。 しかしどこか片方(特に男性側)は独りよがりで、共感性に乏しく、同時に残酷さ、未成熟な攻撃性さを持っている。 この未成熟な攻撃性や独りよがりさは他の短編の登場人物も然りであって、共感的な他者(家族や女性)を傷付ける。 そして救済はない。

15日前

5c50f524 f6b7 412a b19b e458d59db9fd151a20ec 11c6 4572 b74d 1715202fc241
飢餓同盟

飢餓同盟

Picture

渡辺洋介

神田村経由専門書版元

かつての温泉街花園を舞台に土着の支配者とひもじいと称されるよそ者が結成したアナーキスト同盟たる「飢餓同盟」戦後民主主義を象徴する「読書会」3すくみのわちゃわちゃした対立を哀しくもどこかユーモラスに描く。 招致された医師である森が町につくも一向に病院にたどり着くことができない阿部公房的な不条理たらい回しぐるぐる地獄や人間をいかなる機械よりも精密な機械と化してしまう!ドイツ製の怪しげな薬「ヘクザン」の実験台となった地下探査技師織木、飢餓同盟員に対し「たとえばソロバンを盗んでこい、財務部長らしくなるために、明日までに割り算の九九をおぼえろ。電球を三つ盗んでこい。将来キャラメル工場の煙突塗り替えるために、毎日電柱にのぼる練習をしろ。姉さんの指紋をとってこい。電気コンロを盗んでこい。そして昨日は姉からヴァイオリンを盗んでこいというわけだ」P185と無茶ぶりをするリーダーの花井(ヒロポン中毒)等々奇妙奇天烈な登場人物が繰り広げる人間喜劇。

1年前

Icon user placeholderD46f6615 a04d 44c0 9ee1 e22aa60894ef53f91522 9875 41c9 bd49 3ca3d7d35832