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アルファグアラ賞受賞作! 〈城〉と呼ばれる自宅の近くで誘拐された大富豪ドン・ディエゴ。身代金を奪うために奔走する犯人グループのリーダー、エル・モノ。彼は... 続き

コメント

誘拐された大富豪と誘拐犯、若き日の大富豪が巡り会う妻との恋、そして見えないものを感じながら自由奔放に生きる大富豪の娘、その娘に恋い焦がれるのちの誘拐犯と思しき男の子。
巧みに錯綜しながら進む物語は、コロンビアという、暴力が大手を振って歩いていた国、金持ちと貧乏人の間の格差があまりにも激しい国の事件ならではの、ヒリヒリするような焦燥感と疾走感に満ちていて冷や汗をかきながら読んだ。
誘拐犯には身代金を払わないという家族との取り決めなど、実際に起きた大富豪誘拐事件を参考に描いたものだそうだけど、哲学小説にも通じる思弁的な風味の大富豪と誘拐犯の対話、幻想文学を思わせる大富豪の娘イソルダのふるまいなど、味わい方もたくさん詰め込まれた小説。

読者

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文芸

仏像ぐるりの人びと

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ノノハル

my本棚の前で立ち読みしてしまい…

色々な事を抱え込んでしまった雪嶋君。籠もった自分の気持ちが、仏像修復のバイトを通して解放されていく。色んな人と出逢い感じていく。 黙々と修復をする不器用な門真先生は、ジッとそんな雪嶋君を見つめます。 仏像は彫物だと思う私ですら、頭を垂れる仏像とはなんぞや? 無宗教の私は、自身を見つめる鏡なんだと思い至りました。

1日前

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初恋宣言―自選青春小説〈2〉

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Shun

普段は帰宅後に、休みの日は散歩し…

かつての集英社コバルトの星、富島健夫。のちに執筆の路線を官能小説に変え、元少女等から裏切り者だのなんだの非難されたようだが、さて。表題作の『初恋宣言』。併録の『星への歩み』。どちらも物語のテーマは共通しています。いつの世も人々は徒党を組む。男子は暴力で、女子はうわさ話で。烏合の衆。その群れから外れようとする者は男子はリンチにあい、女子は仲間外れにされる。そんなことがなんだ。誇りを持って我が道を行け。そう富島健夫は思っていたのではないか。媒体が少女小説だろうが官能小説だろうが、富島健夫はぶれてなかったのだ。

1日前

モップの精は深夜に現れる

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リトル

小説も漫画も絵本も読みます

シリーズ2作目 相変わらず清掃作業員として夜中や早朝の会社に出没するキリコ そこで出会う様々な人の悩みや不可解な事件の謎を解明する そんなキリコの家でも悩みの種が… 家事や夫と義父の世話、おばあちゃんの介護、清掃の仕事 全てを一生懸命頑張っているのに おばあちゃんにちょっと何かあると 叔母に責められ 兄夫婦に陰口たたかれ あんまり手伝わないやつに限って口出してくるのよね 毎日の頑張りがどれだけ大変かわかりもせずに そもそも他人に身内の世話させといて文句を言うなんてどういう事 お前がやれよ って沸々と怒りが湧いてきます 文句一つ言わないキリコは偉い

2日前

憂鬱な10か月

憂鬱な10か月

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fuku

設計事務所勤務ゴミリーマン/元ク…

我輩は胎児である。徹頭徹尾、母の胎内に蟠る胎児が延々とモノローグを語るさまは只者ではない。ソムリエみたいにワインの味わいをくどくどと評価し(飲んだこともいくせに)、世界情勢を気にかける。それもそのはず、なんと今時の胎児は母親が聞くポッドキャストやテレビから知識を吸収しているのだそうだ。IT化恐るべし。 しかしこの胎児は生まれる前からとんでもなく大変な目に遭っている。零落しつつあるとはいえ英国、極東の独裁国家ではなくなんとかヨーロッパに生まれ出ることまでは良かったものの、しがない詩人の父はすでに捨てられ、その弟との不倫に耽る母は胎児に気を使いつつも酒が止められない有様(そして臍の緒を通ってくる血流で胎児くんはワインを味わう)。 そんな中で父を亡き者にしようとする陰謀が。果たして胎児くんの運命やいかに。 黒々としたユーモアがイギリスらしいけれど、どうもそれだけではなくてこの小説はハムレットの本歌取りらしい。それを知ってるだけでも楽しさは倍増したかもしれない。

2日前

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