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社会学者・古市憲寿、初小説。安楽死が合法化された現代日本のパラレルワールドを舞台に、平成という時代と、いまを生きることの意味を問い直す、意欲作!平成時代を... 続き

コメント

ファディッシュさを頻りにすくうことでみえてくる全体像がある。そこにあるのは個別具体的な個人というよりも、世代や時代のコホート的な抽象的存在。高橋源一郎が田中康夫『なんとなく、クリスタル』を80年代で最も優れた小説と言い張る点はそこにある。と同時に、文壇から総スカンをくらったのもその点にある。

『平成くん、さようなら』はそのファディッシュさから田中康夫的と言われうる可能性があるが、むしろその逆だ。『平成くん』の主題は近代文学が長年取り組んできた「死」の悩みであり、プレ田中康夫的、非コホート的と言い換えてもいい。

そして最も興味深いのが、たとえどんなにドリスヴァンノッテンのシャツを身に纏っていたとしても、「平成くん」が「昭和的だ」ということだ。日本という国に限られた元号という独特な制度に拘束された人間の苦悩を描いている点において、一昔前の昭和的な気配さえしてくる。

それは古市の意図が成功していないということを意味しない。実は平成が昭和の総決算、ロスタイムでしかなかったことを示唆しているように思える。「時代を背負った人間」と自己認識する「平成くん」の昭和らしさを垣間見たときに初めて平成という時代の「らしさ」が浮き上がってくるように思える。

その他のコメント

死と思い出の話。すごく悲しいけど爽やかな話ですんなり言葉が入ってきて一瞬で読める。
生きるとは何か、死ぬとは何か。人が死んでも、誰かの記憶の中に残ることは、残された者にとって負担になるのか。死者を覚えている人が自分しかいなくなったら、自分が死んだら、その死者はもう永遠に消えてしまうのか?
若い時は、大学生になったらあれをしよう、働き始めたらこうしよう、結婚したらこうなりたい、子供ができたらこんな家族を作りたい…子供が大きくなって、会社を辞めたら次は何を目指す?次は何に向かって生きる?私が死んだら、誰が悲しむ?あるいは、誰の心の負担になる?衰退していく自分を見ることが辛いから、死を選ぶ決断は間違っているのか。
ブランド名や芸能人、建物名が実際に出てきて、これは宣伝なのか、後世に記録として残す為にあえて全部挿入しているのかが気になるけど、いい小説。数十年後に平成の時代を知らない人が読んだら、どう感じるのだろう?

読者

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古市憲寿の本

誰の味方でもありません

誰の味方でもありません

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山奥

花屋 植物担当 から転職 書店員…

誰の味方でもあろうとしている自分に気づき、ついつい手に取ってしまった メディアで見る古市さんは実はちょっと苦手でしたが、何の嫌悪感もなく(失礼)むしろ楽しめました 絶対的な「正しさ」を追求するのではなく、一歩引いて社会をみるくらいが丁度いい 賛成です

約1か月前

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社会の抜け道

社会の抜け道

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ひろむ

月に7冊以上、年間では85冊読破…

2019/1/14読了 IKEAやコストコに行って消費社会のことを考えたり、保育園を見学して少子化や保育園と幼稚園を統合しようとする動きのことを考えたり。現実的に直面している事例を通して、これからの日本の「社会」がどうなっていくのかを、社会学者の古市さんと倫理学者の國分さんが対談している本。 それぞれが留学していたフランスや北欧でのワークライフバランスとの比較論とか、なかなか面白いんだけど、別にこれ読んだからといって、すごく目新しい視点とか気付きとかは得られない。 北欧では小さな頃から自分達のことは自分達で決めさせられる教育を受けるけど、日本人は教室の中の小さなことでさえ、自分達ではなかなか決められない。そういう自己解決・決定の精神が幼い頃から培われないから、大人になっても批判はしても自分で動かない人が多い、というような話が出てくるんだけど、そういうところ確かにあるなぁと思った。

9か月前