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僕の兄は罪もない人々を殺した。何が兄の中に殺人の胎児を生みつけていったのか?-四人兄弟の末弟が一家の歴史に分け入り、衝撃的な「トラウマのクロニクル」を語り... 続き

コメント

もし、あなたの子孫が必ず犯罪者になるとすれば、子供を諦めるだろうか?
この本はフィクションではない。ノンフィクションだ。筆者の兄は人を二人殺し、自ら死刑を望み、銃弾に心臓を貫かれた。筆者は親兄弟のことを調べ、宗教と街と国の歪みを全て請け負った呪われた一家だと理解する。そして、筆者は子孫を残さないと決めた。

読者

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マイケル・ギルモアの本

心臓を貫かれて

心臓を貫かれて

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渡辺洋介

神田村経由専門書版元

死刑に処されることを望む殺人犯を兄に持つ弟が自らの家系を辿りその暴力の根源は何処にあるのか丹念に紐解いていく、そこで目にしたものは耐え難い暴力の連鎖といるとしか思えないゴーストとそれに連なる呪われた血であった。 「本当のことを言えば、僕は両親に対して批判がましいことを言っているわけではまったくないのだ。彼らのどちらに対しても、憎しみや苦い思いを露ほども持ってはいない。本当は持つべきなのかもしれないのだけれど。僕は両親を愛しているし、最近特に彼らのことを心から懐かしく思う。しかし自分の家族について思いをめぐらすにつけて、そこに何かしらアイロニカルなものがあることを僕は気付かないわけにはいかなかった。より良き世界においては、僕の両親は出会うこともなかっただろう。なぜならそこではこんな話は存在しなかったはずだからだ。より良き世界においては、僕の両親は出会うこともなかっただろう。少なくとも彼らは結婚して、家族をもうけたりはしなかっただろう。つまりより良き世界においては、僕はこの世に生まれてこなかっただろう。」抗いがたい呪われた血という運命を前に諦念をもちつつもまだそこに家族としての幻想を抱くこの場面が痛々しくも愛おしい。

1年前