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「あなたを愛するために、ここまで来たんだもの」  黒い海を越え、呪われた島にやってきた美しい少女、シュガーリア。今は滅びた死霊術師の忘れ形見である彼女が出... 続き

コメント

私はこのファンタジーが欲しかった。
それに尽きる。
ミミズクに始まり、このシュガーリア。
紅玉いづき先生のファンタジー世界におけるヒロインの美しいこと。7年半振りに会えたなと実感した。

少女の信念、意思の強さが切り開くお話です。
少しずつ少女から刺激を受けながら成長していくところも、読んでいて自分にも刺激を受けます。
結末は泣ける展開で、さすが紅玉いづき先生。

愛すること、愛されること。そこにあるのはどうしようもなく死と孤独であり、苦しみであり己のエゴを貫く傲慢さだけだ。
ただ、そこにハッピーエンドがないとは限らないし、それは本物とか偽物とかでは計れない、確かなものである。

先ず、『毒吐姫と星の石』から7年半、という事実に目を疑った。7年半もの間、彼女のファンタジーは息を潜めていた。そりゃ寂しくもなる。
待望の新作に心踊らせながらも、時の流れやら考え方の変異やらばかり考えてしまい、「あの世界をもう一度」の願いが叶うのか、不安8割のままページを捲った。
彼女の世界が、そこにはあった。私の大好きだった、お伽噺。
きらきらしたことば、ここではない世界の言い回し。句読点の多く、語り部の息遣いと感嘆を感じさせる語り口。
プロローグのたった5ページで一気に記憶が、感性が、蘇った。私の求めていた世界が、ここでは変わらず鮮やかに息づいていた。

強い少女の物語だった。
復讐を誓い、力を求める少女。死霊術士の孫娘シュガーリア。幼く愛くるしい容姿。きらめくような金の髪。甘やかされ、愛され、たくさんの正の感情を向けられてきた彼女だからこそ与えられるものがある。愛されたゆえに与えられる孤独。幸せで、正しい、愛。からうまれる絶望。
彷徨う魂を集め、触媒に閉じ込める死霊術士。異端者として日々己等の知識と技術に研鑽を重ねる。ずっと探しているのだ。魂はどこへ行くのかを。
生きるとは何を指すのか。一体何が私たちを私たちたらしめるのか。
感染する死。諦めの連鎖。甘言。
俯瞰することの孤独。必要なのは私が私であること。

様々な思惑が長年に渡り絡み、たった数日で一気に解かれる。シュガーリアの意志の行く末。彼女が復讐と謳う行動原理は何であるのか。それははたして悪なのか?
彼女を取り巻く傲慢や愛は、人を、選ぶ。ラスト、読者が彼女に抱く思いは人それぞれに思うが、そのどれもを彼女は笑って受け入れるだろう。
そして、もうひとりの主人公である悪魔背負いの大罪人ヨクサル。孤独を力に変える悪魔の契約者。
愛されることへの嫌悪。戸惑い。優しさ。誤解を恐れずに言うと、この物語を通して彼は幸せを手にしたと私は思う。彼の出した答えがたとえ砂上の楼閣であっても、彼は一番大切なものを手に入れたはずだ。

これは世界の傲慢が産んだ物語だ。
傲慢はそれぞれ支配に、復讐に、そして愛情に昇華され、また新たな孤独を形作る。だがそれを恐れることは無い。
「自分が何者であるかは、自分を愛した人だけが決めてくれる」
その愛が、最期まで貴方を突き動かす。待っている孤独、そしてその先にあるのが貴方の結末であり、貴方の物語だ。

読者

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紅玉いづきの本

ミミズクと夜の王

ミミズクと夜の王

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カロ

非日常に夢を見る マイナーな作品…

何度読み返しても好きな作品 難解な心理状況とかこった場面設定とかはない。 だからこそあの時の私に刺さったのだと思います。 綺麗な文体が好きな人には是非おすすめしたいです。

9日前

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雪蟷螂

雪蟷螂

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秘燈 真夜

興味を持ったものはとりあえず一読…

私が1番最初に読んだ紅玉いづき先生の作品です。読み始めたら止まりません。 この人は、なんて美しい文字を綴るんだと思いました。色々な、愛のカタチを教えてくれた思い出深い1冊です。

4か月前

現代詩人探偵

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魚住すくも@大阪

#twnovel/UTAU/ボー…

同じ文芸系でも、小説家ではなくて詩人の集団であるということには、何か意味があるのだろうか? モノ書きを志す人には、読んでほしいと思う一冊。

約2年前

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