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わたしは逆さまになって、ある女のなかにいる――。胎児が語る人間たちの世界。誕生の日を待ちながら、母親のお腹のなかにいる「わたし」。その耳に届く、愛の囁き、... 続き

コメント

性格の悪い作家の邦訳最新。「贖罪」と「アムステルダム」の二作を読んでもらえたらなぜ私がそういうのか分かってもらえると思うのですが...なのに気になって手にとってしまうのはやはり作家の力量か。比較的リアリティのある舞台設定を好む作家と思っていたがこれは主人公が胎児という一種のファンタジー。しかも臍の緒を通じて味わったワインについてもひとくさり蘊蓄を述べるという只者ではない教養を誇る胎児。この胎児が母の胎内で母と父の弟のただなるぬ関係と彼らが父を亡き者にしようとする陰謀を聞いてしまう物語。一応、関係性はハムレットを下敷きにしているらしいが自分は浅学故かあとがき読むまで分からなかった…。この文字通り手も足も出ない主人公が殺人計画に対して何をどうするのか、がすごく楽しみでどうせ後味が悪いことになると思いつつも読み進めてしまう。なるほどそう来たか、というラストに感心。端正な文章も魅力的。未読の邦訳も読んでいこうと思う。

我輩は胎児である。徹頭徹尾、母の胎内に蟠る胎児が延々とモノローグを語るさまは只者ではない。ソムリエみたいにワインの味わいをくどくどと評価し(飲んだこともいくせに)、世界情勢を気にかける。それもそのはず、なんと今時の胎児は母親が聞くポッドキャストやテレビから知識を吸収しているのだそうだ。IT化恐るべし。
しかしこの胎児は生まれる前からとんでもなく大変な目に遭っている。零落しつつあるとはいえ英国、極東の独裁国家ではなくなんとかヨーロッパに生まれ出ることまでは良かったものの、しがない詩人の父はすでに捨てられ、その弟との不倫に耽る母は胎児に気を使いつつも酒が止められない有様(そして臍の緒を通ってくる血流で胎児くんはワインを味わう)。
そんな中で父を亡き者にしようとする陰謀が。果たして胎児くんの運命やいかに。
黒々としたユーモアがイギリスらしいけれど、どうもそれだけではなくてこの小説はハムレットの本歌取りらしい。それを知ってるだけでも楽しさは倍増したかもしれない。

読者

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宗教上の理由で輸血による白血病の治療を拒否する未成年のアダム。 そんな彼に、裁判によって輸血を命じるべきか、彼の信条を尊重して確実に訪れる死を迎えさせるべきか。 この難しい裁判を担当するのは、夫に別の女性と関係を結びたいと宣告されたばかりの女性裁判官フィオーナ。 迷いと混乱の中で、彼女は大人として、正義の裁きをアダムに下そうと努力するのだが…。 社会的規範である法と、人の心の拠り所である宗教と、愛や希望という人間的な感情と。 フィオーナは、正しい選択をしようとしながらも、アダムの純粋さによって気持ちを揺さぶられ、惑う。 人は、自分の中の弱さや愚かさを認め受け容れて初めて、自分を知り、そして他者の中に同じものを見つけられるのかもしれない。 そしてそこから他者と大切な関係を築くことができるようになるのかもしれない。

2年前

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