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食べ過ぎ、飲み過ぎ、読み過ぎ注意… |
主人公は服飾業界で働く40代の女性。
彼女は、天職とも思っていた大切な仕事を失う危機に直面し「これから」を考えるために過去と向き合い始める。
そこから新たな目標を探す現在のパートと、貧しい中で助け合って生きていた幼馴染や恩師、級友との過去のパートが交互に描かれるのだが、どのエピソードからも主人公たちが真面目に、健気に生きてきたことがじわじわと染み入るように伝わってくる。
真っ当な人が真っ当な生き方をするからこそ、ままならない運命にもがき苦しむ。
現実もまたそうであるからこそ、読者は心から登場人物たちの幸せを願わずにはいられない。
他人の幸せをこんなに素直に願うことができる、読者をも幸せにする本だと思った。