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イスラムや東洋、南米が遅れた原因とは?アメリカやヨーロッパの将来とは?近現代史の壮大な謎をスリリングに読み解き、中国台頭と西洋没落の行方を占う気鋭の歴史学... 続き

コメント

昔から語られて来たテーマだけど中世まで遥かに西洋を引き離していた中国とイスラム圏がなぜ西洋に凌か駕されてしまったのか、を書いたもの。中国の台頭を目の当たりにした気鋭の歴史家がこのまま西洋が覇権を握り続けられるのか、を洞察したもの。競争・科学・所有権・医学・消費・労働、という六項目に絞っているのがユニークな視点。結論はこういう著作にはありがちなグレーなものだけどなかなか読ませる内容。所有権の項が特に印象的で南北アメリカの相違を掘り下げてるのだけど、少数の支配層が富を寡占した南のスパイン、ポルトガルと庶民が小さい土地を保有することを目的とした北との比較。北つまり繁栄している合衆国と南米諸国の比較で、いまだに自分の畑を耕しているインディオはいるけど北米で自分の畑を耕している先住民はいない、という指摘が新鮮だった。正直、例と力点の置き方次第で逆の論旨展開も可能では、という箇所もあったけどもそれら含めてなかなか興味深い作品だった。

その他のコメント

西洋文明はなんで覇権を取れたのか。『銃・病原菌・鉄』のような地理的、自然現象的な説明に加え、西洋だけが持っていた、あるいは発達させた6つの要素(著者はそれをキラーアプリと呼ぶ)から読み解く。
科学、競争、医学、消費、所有、労働なのだそうな。
たしかにそれらは東洋やアラブには揃ってなかったし、芽吹きがあっても何故か早々に摘み取られてしまい、結果覇権を取り損ねたのは西洋中心史観的な見方をしなくても事実だろう。現に今はそれらの力で日本も経済大国になり、かつてはヨーロッパなど歯牙にもかけなかったのに没落した中国は、改めて覇権国家の地位を狙えるようになってきたわけだから。
うん、事実としてはたしかにその通りだろう。博識でいろいろなエピソードも紹介されるが、もう一歩、だから何故なのか?というのが見えてこないのが歯がゆい。まあ大知識人なのだろうし、そんなことは言わずもがな、分からん読者のお前さんに問題があるのさ、というところなのかも知れないが、そこに著者の西洋中心的なメンタリティが見え隠れするような。中国の台頭と入れ替わりに没落しつつある西洋に対する著者の哀惜がそうさせるのだろうか。

読者

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