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初版は中学生の頃に読んだ記憶があります。図書館にブルーバックスのコーナーがあり、同じく都築卓司さん著者の「タイムマシンの話」と並んで置かれていました。どちらも導入部は面白かったと記憶していますが、途中から専門的な話となり、投げ出してしまいました。

40年以上経ち、今回再読してみましたが、面白かったです。
本書は熱力学の第2法則を豊富な寓話を使ってわかりやすく説明します。数あるブルーバックスの中でも、巻末のブルーバックス発刊の趣旨に最も近い本と思います。
感覚的に理解するのが面倒な第2法則を「分離の状態は、やがて混合という結果に追い込まれることを述べたもの」と「追い込まれる」という言葉を使って説明するなど、職人的教授という気がしました。

面白かったのは、空気が積もらない話。

「①空気分子はできるだけ位置エネルギーを小さくしたい。そのために地上につもってしまうのが最上の策である。
②たくさんの粒子からできている体系は、実現の確率の最も大きな状態になろうとしている。このためには、空気分子は非常に薄く、同じような密度で遥か上空にまで広がるのが得策である」
そして著者は「両法則の顔をたて」、空気は下に濃く、上に薄く分布すると説明します。

本書のすごいのは、「マックスウェルの悪魔」という分子を自由に操ることのできる悪魔を登場させ、分子移動の不可逆性を寓話として理解させようとすること。また、これまた理解が難しいエントロピーを金属とゴムの収縮の違いを例にとって説明し、読者に何となく理解した気にさせてしまうこと。40年前、完読しなかったのが悔やまれます。

なお、エントロピーを理解しても、日常生活に役に立たつことはないと思います。それでも、読書の楽しさを十分に味わえるおすすめの★★★★★。

読者

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科学

フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで

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「xのn乗+yのn乗=zのn乗 この方程式はnが2より大きい場合は整数解をもたない。」 フェルマーの最終定理を巡る数学者達の歴史と、遂に証明を果たしたワイルズの物語。 この本を読み進めていくうちに、1人研究に没頭したワイルズの背後には様々な数学者たちの知恵や研究があったことに気づく。そしてそのワイルズが証明を完成させた時、思わず胸が熱くなった。 「数学は科学や技術に応用されているが、数学者を駆り立てているのは応用の魅力ではない。数学者を奮い立たせているのは発見の喜びなのである。」 また、エウクレイデスが数学が何に役立つか問うた生徒に言った一言「あの少年に小銭を与えなさい。彼は学んだことから利を得たいようだからね」 などのフレーズが心に残った。何のために数学をするのか、ひいては何のために学問をするのか、その答えの一つが書いてあるような一冊だった。

3日前

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11日前

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