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あるパーティで出会った、冴えない男ストリックランド。ロンドンで、仕事、家庭と何不自由ない暮らしを送っていた彼がある日、忽然と行方をくらませたという。パリで... 続き

コメント

初めは好意的に、格式張って窮屈な社会生活をうっちゃって自らの衝動に命をかけたストリックランドを応援する気持ちで読み出して、ストルーヴェとブランチが絡み出した頃にはすっかり大嫌いに。ストリックランドはクソだ!と何度も心の中で叫んだ。それに引き換えストルーヴェの清廉なことよ、と。魂が美しいから、だから絵が凡庸なのだと思った。ストリックランドの凶悪で醜い人間性が逆に壮絶な美を表現するのだと。この性悪画家のモデルになったのはかのゴーギャンで、おかげですっかりゴーギャンも嫌いになってしまった。この辺りで物語は折り返し地点に立つ。いよいよ、かの島に旅立っていくのである。

「彼がこの島にきて多少なりとも優しくなったとは思えないし、利己的でなくなったとも、残忍でなくなったとも思えない。まわりの人間が好意的だったのだ。はじめからここで暮らしていれば、普通の人間として暮らしていたかもしれない。ストリックランドはこの地で、祖国の人間には期待も望みもしなかったものを手に入れた。つまり、理解を。」

常人には理解できない憧れを孤独な魂に秘め、想像力をかき立てる未知の島へと旅立つ姿に、思わずエールを送りたくなる。ロンドンでも、マルセイユでも、そこで当たり前とされたいかにも現代的なものさしで測れば、彼は間違いなく狂人だった。けれど、南海の島に渡ればそんなものさしなんてどこにもない。ただあるようにある、そんなかたちを受け入れてもらえたその島で、男は奇跡の絵を描く。

ずっと、苦しんでいたのかもしれない。狂おしい情熱の奴隷、最後はそんな風に思った。友達になれるとは思わないけど、6ペンスぐらいなら貸してあげてもいい。

その他のコメント

自身の欲望に忠実な、周囲を破滅に導く酷い男。
しかし何故だろう。生物として美しいと思ってしまう。

ジャケ買いした本。人を傷付けても 人生 好きなように生きた方が いいのかなと 考えさせられた。

読者

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サマセット・モームの本

月と六ペンス

月と六ペンス

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読んだ本と好きなフレーズ

夫を取り戻したいのは愛しているからなのか、人の陰口が怖いからなのか。

約2年前

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要約すると

要約すると

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スエヒロケイスケ

劇作家らしき仕事してるが物書きら…

モームは月と六ペンスしか読んでないので、このひとのことあまり知らなかったのですが、劇作家だったんだすね。しかしモームが劇作を離れ、小説に戻ることにした動機、理由は、実はすごく共感できる。しかしこのひとはカッコイイ。奢らず謙虚で、正しくあろうとする。吃音があったから身の程をわきまえるように育ったんだ。

3年前

雨・赤毛

雨・赤毛

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nishitanabe1987

ほんがすき

長い結婚生活の経験から、彼は最後の言葉を妻に言わせておくことが、平和をもたらす最上の方法であることを体得していたのだp11

約4年前

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サマセット・モーム全集剃刀の刃1

サマセット・モーム全集剃刀の刃1

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inoue

Webエンジニア

1944年、作者70歳のときの作品。絶版になっている小説ですが、ほとんど偶然読んで面白かったです。空軍パイロットになって友人を亡くしたアメリカ人青年が、婚約者も家も捨てて、パリやドイツの炭鉱や、流浪の生活を続けるのですが、単純な放浪小説というより、彼が置き去りにした婚約者やその家族の、上流階級からの視点で書かれています。たまにその主人公がふらっと現れるという、フーテンの寅さんみたいな趣き。やがてインドまで行って、またアメリカに帰る、ヒッピームーブメントをはるかに早く予言した作品でもあります。

約4年前