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コメント

沙月を崇拝したい拓也と、拓也に愛されたかった沙月。両者は最初から両想いなのに、想う形が違うゆえに、延々とすれ違い続ける。
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二人の憧れの先輩であった植松さんを交えての三角関係に突入するが、「お前は人の下におる振りして、人の上に立っとるんじゃ」と看破される。
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沙月の拓也に対する嫌悪感と、それでもなお付き合おうとする関係性がこの、奇異な物語を安っぽくすることなく維持し続けている。
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しかして、異性の分身(櫛や髪の毛、靴下、体液など)を崇拝するということと、目の前の女性を愛するということの、隔たりは幾ばくのものになるのだろうか。

読者

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喜国雅彦の本

月光の囁き (4)

月光の囁き (4)

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しろいはなび

【2017.05.01~から記録…

拓也の親友の丸山くんを加えてまた植松先輩のようにひりつくような三角関係に…なるのかと思いきや、そうはならず。。。 - 一貫して丸山くんはストーリーのなかで、中立を保っていたから、この流れはどうなるのかと思ったけれど。。。ああ、そうなるのかあ、と膝を打つ感じ。 - SMの関係性にあっても、非常に普遍的な恋愛の一つの形に収まった。 - 本気で誰かを想い、その想いに応えてくれる関係性というのは、ありがちなようで奇跡だし、奇跡なようでありがち。だからこそ、物語になるんだろう。

1年前

月光の囁き (3)

月光の囁き (3)

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しろいはなび

【2017.05.01~から記録…

とうとう、沙月はそれまで妨げていた嫌悪感を乗り越えて、拓也の関係性に添うようになる。言ってみれば、拓也が沙月を望むような形に変えた、と見ることもできる。 - 「私、あなたの泣き顔見たらすごい気持ち良うなったわ。く…くくくく…もっと泣いて、ほんで私を、幸せにして」そう言って、彼を苛むように植松先輩との情事を見せつける。 - 彼ら彼女らの関係性の象徴と変化を、剣道の県大会という、少年漫画の鉄板シチュエーションに仮託して、物語っていく。 - トーレン・スミスという漫画英訳出版業の人の解説がすごく的を射ていて一読の価値がある。

1年前

月光の囁き (1)

月光の囁き (1)

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しろいはなび

【2017.05.01~から記録…

都内某所のSMバーのママのイチオシがこの月光の囁き。 - 剣道部の拓也は同級生の沙月に好意とも恋心とも崇拝とも性欲ともつかない、綯い交ぜの感情を抱いている。同じ剣道部のよしみで付き合うことになるが、彼女の靴下や髪の毛やちり紙や写真や体液を保管しているところ見られて、軽蔑される。 - 最近はネットの普及でフェティッシュなどは、とても気軽に消費されるようになったし、ネットスラングにも性的な要素が多分に含まれ、全体的にカジュアルになったが、フェティッシュな性的欲求が忌避されるものであるというのは、だいぶ懐かしさすら感じられる。しかし、このような傾向は昭和生まれにおいては残っているのかもなあ、とか。 - なんか、全体的に鬱屈した感じ、田舎、暴力、初恋、みたいな感じ、息苦しいの、わりと好きなような嫌なような、まだ一巻だからちょっと判断は保留。

1年前