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他人の視線に怯える対人恐怖症。強迫観念や不安発作、不眠など、心身の不快や適応困難に悩む人は多い。こころに潜む不安や葛藤を"異物"として排除するのではなく、... 続き

コメント

これは単なる心理学の本ではない。
この本が書かれた状況に驚いた。
死の直前に、体力も視力も聴力もわずかしかない状態で口述筆記によってつくられた。この態度こそが、この本の著者のメッセージそのものだ。人は選択できるのだ、困難でも自分の望む方へすすむか、避けるかを。

"そこで筆者は、逃避的な考えを認めたうえで、それを「あるがまま」にし、さまざまな葛藤をもったうえで、とにかく新しい行動に自分を賭けてみようと「目的本位の行動」をとるのである。この場合、結果はよい目が出るか悪い目がでるかわからない。しかし大切なのは、自分がよいと思ったことに自分自身を投げ出し、行動をしてみることなのである。"

人は理想をもち、かくありき、の声なき声に囚われる。こうあらねば、という声を聞きながら、現実との板挟みに苦しむ。
その苦しみに耐えきれず、オール・オア・ナッシングを設定してしまう。無理と思えばナッシングと決めつける。でも冷静に考えれば、多少なりとも前進する方法はあるかもしれない。
原寸大の自分を見て、自分の望みを考え、直面している問題を捉え、それぞれが自分にとってどの程度の大きさなのかを冷静に分析し判断しなければならない。
倒れるにしても、前に倒れることができるかもしれない。

確かに凄い人はいる。でも多くの人は皆 凡人だ。誰も人にそこまで期待はしていない、とても素晴らしい考え、全く新しいアイデアなんてあり得ない。皆過去を参考に少し改善したり、少しズラしたりしているに過ぎないんだ。

どんなに凄い人でも緊張する。歌舞伎役者、中村勘三郎が初日に震えている逸話が書かれていた。彼は緊張を否定せず受け入れていた。むしろ震えなくなったら役者としておしまいだくらいに構えている。
強いとは、受け入れられることなのだった。

"1. 自分の生きてきた時間、自分が置かれている空間(性格形成を含む)を含めて、自分の存在を正しく認識する。
2. 自分の苦悩が、「とらわれ」に陥っていないかどうかを検証する。
3. 不安や葛藤の性質を顧みて、とらわれているということがわかったならば、その「とらわれ」の内容を整理し、それをあるがままに認める。
4. 自分の真の欲望が何なのかということをじっくりと考えてみる。
5. 自己の人間としての欲望、つまり「生の欲望」を実現するために、目的本位の行動をとる。
6. 以上のような思考・行動を通じて、自己陶冶、自己確立をはかる。
7. 人間としての自由を求め、それなりの個性を生かし、創造的な生き方を試みる。"

アドラーと近い。自分の持つ可能性を認識するとともに、他人と区別する。
力強いすごい本を読んだと思う。

読者

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