515g19kqn4l

コメント

本書は鎌倉時代中期の僧侶、一遍上人の生涯の伝記であり、著者によるその教えの翻訳である。
翻訳というのは変な言い方だけど、おそらく本書を読んだ多くの人には分かってもらえると思う。
「いいよ、いいよ、すくわれちゃいなよ、いますぐに」
くだけた話しことばで書かれた文章は、一遍上人のラディカルな生き方を語るのにしっくりとくる。
ものすごくパンチのある作品だ。

一遍はただただ迷いの中で生きる大勢の衆生を救おうとした、いや「あなたは既に救われているんだよ」ということを伝えようとした実践の人だった。
その実践が、本書ではまるでRPGのように、展開する。
まずは出家し、旅に出る、修行を積む、旅の道連れができる、人がついて来る、巨大な敵が攻撃を仕掛けてくる、逃げる、暴れる、踊る、踊る、踊る…!!

危機感を煽るニュースが毎日のように流れ、重苦しい不安な空気が広がっている今。
実は私たちの社会は一遍の思想を受け入れる準備が整っているのかも。
あるとき誰かが「人はみな独りで生きていくんだよ、苦しいねえ、寂しいね、けどね、実は私たちはすでに大きな何かに救われているんだよ、さあいろんなものを捨ててみんなで踊ろう!生きながらにして往生しよう!」と言い出し、一斉に人々が踊り出す…そんな未来が来るかも。
そして、私はそのとき、一緒に踊るんだろうか、踊りを眺めているだけなんだろうか。

その他のコメント

タイトルだけで手にとってみたんだけども…それこそ誰の伝記かも分からずに。これが実に読みごたえのある作品だった。お勉強的には平安末期から鎌倉初期にいろんな宗教家がでまして時宗という宗派を起こした人もいました、くらいの扱いだった記憶はあるんだけど念仏唱えながらひたすら踊りまくる、という発想は考えてみたら飛び抜けてる。四国の名門武家に生まれ学識もそれなりにある男がいかにして踊念仏に行き着いたのか…という流れが実に上手く書けている。浄土宗の教えについてここまで見事な説明を読んだことが無いと思ったくらい。
歴史を語る中に生々しい自己の感想を盛り込む手法は前作と同じ。同様の技法で話題になっHHhHとかもそうだったけどこの作者の方が表現が生々しい分、好き嫌いが分かれるところかも知れない。これはおすすめ。

読者

Abb8e1fe aa2b 43fc a57f 7c4ac75ca141Dbb8f88f 405c 45e1 babd a664f14a104f6210b55b a559 4fe6 9419 55dfdd817aa4C38a491e 6396 4375 a09e ec086dbcdb46F77aadac bcbc 49f5 b1e1 309148993030Dd517400 d168 4f5d 875b 2fac2998dcd200036308 68e1 4d20 8431 4933bd6465103b152d10 d8f5 4a2d 85b1 b965be5e20b9 35人

栗原康の本

日本のテロ:爆弾の時代 60s-70s

日本のテロ:爆弾の時代 60s-70s

08634c99 3a43 40c1 9ad5 6ba772150f2c

Toru Omae

欧米ミステリを中心に読んでいます…

正直なところ社会主義や共産主義は必ず全体主義に行き着くため大嫌いなのだが…監修者が著作を読んで感銘を受けた人だったので手に取ってみました。日本の左翼運動の歴史を振り返ってコンパクトにまとめたもの。監修者のスタンスから予想はしていたがやはり左翼系へのシンパシーが滲み出ている内容。日本の革命家列伝などコラムを挟みつつ赤軍や企業爆破など日本にも昔あったテロの時代を網羅している。巻末には時代を知るための文学作品紹介などもあってなかなか興味深い。 本筋とは関係ないけどえてして高学歴の人が左翼にハマるのは計画管理する側に立てるからなんじゃないかと思っていて前衛や大衆の中からの闘争などと言っててもしょせん、とは思った。いろいろ興味深い内容だけど個人的には子供は読んではいけないと思った。危険。

約1年前