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しぶとく生きよ! 諦めることを最も嫌った幕臣、大鳥圭介の知られざる生涯! 「負けてたまるか」大政奉還の江戸城で独り気を吐く男がいた。貪欲な学究精神で、彗星... 続き

コメント

歴史小説家にとってどんな人物、事件を取り上げるかはかなり重要なテーマと思う。本作は、そう言えば日本史の教科書で榎本武揚と共に幕府側で最後まで新政府に対抗したとして名前だけは見たことがあるかな、という感じの大鳥圭介が主人公。彼が元々は幕臣でもなんでもなく尼崎の医者の息子で家業を継ぐために始めた蘭学からいつしか西洋の軍学に惹かれこれを学んだ結果、幕末の混乱期ではあるといえ最後には一代で大身旗本に取り立てられた男だとは知らなかった。宇都宮から会津、函館まで悉く新政府に抵抗し続けた男の生き様が熱く描かれる。そういえば本作には女性は全く登場せず、これ以上はないくらい男臭い作品。主人公と同じく新政府と闘い続ける新撰組の土方とか、本国の命令に背き共に闘うことを選んだフランス軍人のブリュネとか…負けると分かっていても闘い続ける男達の生き様。これを読んでグッとこない男はいないのでは。おすすめします。いい作品でした。

読者

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伊東潤の本

悪左府の女

悪左府の女

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Toru Omae

欧米ミステリを中心に読んでいます…

この作者の他の作品がどれも面白かったうえにタイトルに凄く惹かれたので手にとって見た。悪左府とは保元の乱の主役である藤原頼長。生来の頭の良さと学識で腹違いの兄を押しのけて藤原摂関家の長者になり更に貴族社会の頂点を目指す頼長。ライバルに対抗するための手段を選ばず自らの手の内にある女に帝の子を産ませようと画策する。そして目に止まったのが有名な醜女とされた主人公…と言っても当時の基準であって、背が高く痩せがたで目鼻立ちのくっきりした女、という造形。更には帝の好きな琵琶の名手ということもあり強引に宮中に押し込むのだが…という話。切れ者すぎて周囲への配慮が足りない頼長はどんどん追い詰められ破滅に向かっていき、主人公の運命も翻弄される。武力を持たない貴族たちの陰湿な争い、台頭してきた武士たちの描き方などさすがに読みだすとやめられない面白さだった。貴族達からは醜女と言われる主人公も新興の武士達にはやたらともてるのも価値観の相違を表しているようで上手いなと思った。

7か月前

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