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「愛するべき日々に愛することを怠ったことの、代償は小さくない」長年連れ添った妻・夏子を突然のバス事故で失った、人気作家の津村啓。悲しさを“演じる”ことしか... 続き

コメント

自己愛が強く身近にいる人を大切にできないまま、長年一緒にいた妻を事故で失った人気作家の物語。
男の(というか人間の)薄情さや愚かさが胸にしみる

事故で突然妻を失った主人公、津村啓。本作では、津村の一人称視点で津村の心情を、周囲の人間の視点で外から見える津村の姿を描いている。津村の良き自分を演じてしまう性格から、その内面と、周囲に与える印象は大きく乖離しているのだが、今の隣にいるこの人が、津村と同じように演じていないと言い切ることができるだろうかと、考えさせられた。

他人のことを1ミリの違いなく理解することなど不可能で、誰かのことを完璧に理解できるなどと考えること自体、高慢なことなのだろう。それは、長年連れ添った恋人でも、家族でも。

私は、自分自身を正確に把握することだってできないのだから。

もう自分を責めなくていい。
自分を大事に思ってくれる人のことを簡単に手放しちゃいけない。

あまのじゃくで不器用な私の心にずしんと響いた。ちゃんと生きよう!

装丁のセンス抜群

なんとも言えないバランスで保たれた色使いと模様、ページはやや黄色がかっていて読む前からワクワクしてしまう

もし私が死んだら、ウチの旦那さまもひとしきり思いつく限りの言い訳をほうぼうから手繰りよせ、なんだかんだ最後には愛に気付いてくれると…いいんだけど。
でも、夫より先に死ぬのは嫌だ。

本当に、永い永い言い訳でした。既に関係の冷え切っていた妻を事故で喪った小説家の永い言い訳。人間性に欠ける言動を多発するその男がしかし同時になんと魅力的にリアルに描かれていることか。情けなくて泣けてくる。映画監督だけあって場面場面の絵の浮かぶ印象的描写やエピソードが素晴らしいのは勿論、時には手紙、時には子供目線と、小説固有の文体の巧みさでも魅せます!《「あの人」が誰にとっても必要だ。生きていくために、想うことの出来る存在が。(略)人生は、他者だ。》つくづく気付くのが遅い。でも人生なんてそんなものなのかな。

遠回りのような近道のような。
涙を流すこと、人を思うことに時間をかけて求める大切さを感じた。

愛する人をなくした男とひとつの家族。
男がなくしたのは、今はその記憶すら思い出せないかつて愛していた人。
今も変わらずなくした人に愛を注ぐ家族。

残った自分。もういない人。
生きている人と向き合う。どうしようもない自分。感情。届かない声。キリキリと痛む。

愛しているということ、生きていくということとはどういうことなのか。

これからもたくさん思い出す、ようやく気づくこともある。
きっとそうやって死ぬまで生きていく。

バス事故を題材にしている作品ということもあり、先日のニュースも相まってリアリティがあった。殺伐とした冷めた感じと柔らい温い感じの揺れ動く心理描写が秀逸で、とても人間味のある作品。

西川美和さんが、自分の小説をどういった形で、映画化されるのかとにかく今から楽しみ。

愛するべき日々に愛することを怠った代償は小さくない...

自己愛が強い主人公の醜く情けない姿が滑稽。
残された者の、続いていく生活
胸にしみた。
映像化が楽しみ。

"もの書く者の葛藤だけが、人間の、解決不能の孤独や絶望に寄り添えるのだ。"
そう言える作者が書いた本だからこそ、この話は心に刺さる。

自分を守ることを考える。だけど、自己中心的な自分にふと気づくこともできる。それなのに、ひねくれてしまう。自分自身と重ねてしまいました。

無くして気付く。ないものねだり。人間は、おバカです。

すごく男くささというか、男性の不器用さというか、、そんなものを感じる小説でした。「人生は、他者だ。」本当にその通りだと思います。

死んだ妻に対しての後ろめたさ、不恰好なまま続いていく生活、の先にある静かな涙

言い訳ができるほど...

読んだあとの余韻が好きです。
男の人が、こんなにか弱いとは。あと、女は強い。
また読み直します。

終始胸が締め付けられるように痛くて辛くて悲しいんだけど、サチオが微かな光を見出したり、健気な子どもたちに向き合ったり、なにより大嫌いな自分を曝け出し向き合っていくことが救いで、懺悔のような告白のような手紙(言い訳)に涙が止まらなかった。

読者

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西川美和の本

永い言い訳

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専ら室内生息し、ネットか惰眠を貪…

映画がすごくよかったので、原作も読んでみた。一か所だけ映画化にあたって変わってたエピソードがあった。 だいたい本の方がいいなと思ってしまう活字派だが、これは役者たちの演技がよくて、映画の方がいいなと感じた。

約2年前

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永い言い訳

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感情を揺れ動かす作品が好き Tw…

映画もこの小説も死とは何か、残されたものの生き方はどうしたら良いか、そして生きていることはどういうものかがしっかりと描かれている。2016年のベスト。

約2年前

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先日、西川美和さんの「きのうの神さま」を読みました。 映画監督の西川美和さんが書いた、自身の監督作「ディア・ドクター」関連の小説で、直木賞候補作でもあります。 で、西川美和さんが「ゴロウデラックス」に出たときに、今作を、「「ディア・ドクター」を撮るときに、取材して得たネタがいろいろ残っていて、それを小説化した」みたいなことを言っていて、たしかにその言葉の通りの作品で、「ディア・ドクター」っていうタイトルの話もあるんですけど、「ディア・ドクター」とは、直接関係ない作品でした(テーマが、医療関係だっていうところは、共通してますが・・・)。 あと、一見連作短編集っぽいんだけど、それぞれの話につながりがあるような、ないような、といった感じで、連作短編集ではなく、短編集といった感じでした(それぞれの話につながりがあるのかもしれないけど、僕はいまいちつながりがはっきりわかりませんでした・・・)。

約2年前

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一人の女性がゆれる吊橋から落ちる。 そこからゆれ始める兄弟の関係。 ゆれる関係とゆれるこころを描いたヒューマンドラマ。

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