51fsmvcvbhl

「乃美さん、わたしは卑怯な男だ」 明治十年、死の床についた長州の英雄・木戸孝允こと桂小五郎が、かつての同僚に「あの事件」の真実を語り始めた――「池田屋事... 続き

コメント

世の流れでわかったかのように、尊王攘夷をうたっている武士が多い中、純粋に武士であろうとした男達の死である。武士を捨て恥を承知で生き抜き、明治政府を立ち上げた桂とが対照的であった。何が正解なのか、その当時を生きていない者が判断する事は出来ない。ただ、そういう時代だったという事だろう。短編5編の連作である。池田屋のみを描き、幕末を描いている。

その他のコメント

伊東潤さんの時代もので作者にしては珍しく幕末が舞台。
池田屋で斃された福岡祐次郎、北添佶麿、宮部鼎蔵、吉田稔麿と、生き残った桂小五郎、それぞれの話で構成された短篇集になっています。
池田屋というとだいたい新選組側の話が多いのですが、手練の作者らしく斃された側に焦点をあてて短編としても全体を一つの長編としても読めるように描かれています。
志とは何か、ということを考えさせられました。面白かった。

読者

1525b978 75b4 4758 ae92 afa4d5728ad408634c99 3a43 40c1 9ad5 6ba772150f2c

伊東潤の本

ライト マイ ファイア

ライト マイ ファイア

Picture

渡辺洋介

神田村経由専門書版元

「よど号」ハイジャック実行犯に公安がいた!その謎をめぐって過去と現在が交錯する設定の妙もさることながら現在から考えると無駄に熱い当時の雰囲気を追体験した。 数ある登場人物の中でもそこまで登場することもないが重要なカギを握る上昇志向の強い地方出身者で最終的に東京に飲み込まれ時代に取り残された石山が何故か印象深い。 同著者の「横浜1963」でも登場した打越、山元町と当時のハマの風景を思い浮かべる町小説としてもおもしろい。 おそらくフェリス女学院の場所が架空の雄志院大学のキャンパスなのだろう。そして震災復興建築のデザインを色濃く残すえんじ色が印象の打越橋を渡るときは前後に注意せねばと思った次第。表紙に教育大全共闘の旗。

2日前

535ddb64 59c5 48a4 9632 94496d8206cbIcon user placeholder
死んでたまるか

死んでたまるか

08634c99 3a43 40c1 9ad5 6ba772150f2c

Toru Omae

欧米ミステリを中心に読んでいます…

歴史小説家にとってどんな人物、事件を取り上げるかはかなり重要なテーマと思う。本作は、そう言えば日本史の教科書で榎本武揚と共に幕府側で最後まで新政府に対抗したとして名前だけは見たことがあるかな、という感じの大鳥圭介が主人公。彼が元々は幕臣でもなんでもなく尼崎の医者の息子で家業を継ぐために始めた蘭学からいつしか西洋の軍学に惹かれこれを学んだ結果、幕末の混乱期ではあるといえ最後には一代で大身旗本に取り立てられた男だとは知らなかった。宇都宮から会津、函館まで悉く新政府に抵抗し続けた男の生き様が熱く描かれる。そういえば本作には女性は全く登場せず、これ以上はないくらい男臭い作品。主人公と同じく新政府と闘い続ける新撰組の土方とか、本国の命令に背き共に闘うことを選んだフランス軍人のブリュネとか…負けると分かっていても闘い続ける男達の生き様。これを読んでグッとこない男はいないのでは。おすすめします。いい作品でした。

4か月前