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コメント

ブニュエルやパゾリーニの映画を観ているような気分にさせられる短編集。登場する男女は、互いに心も身体もすれ違っている。欲望と疑心暗鬼。子供達は純真さを姑息に装いつつ、大人達をじわじわと追い詰めていく。ストーリーの途中で突然関係ない登場人物と場面に切り替わったり、またもとの話に戻ったり。最後までそれらの各場面は交わらない。北九州の海辺が多く描かれるが、その光景は徹底的に渇ききっており、登場人物達の抱えている漠然とした不安感とあいまってどんよりと重い読後感を残す。なかなかいいなあ井上光晴。もっと読んでみたいな。

読者

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井上光晴の本