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神保町でカレー屋めぐり。代々木上原でドーナッツをほおばる。南千住で鰻に並び、湯島で一杯ひっかける。とびきりの東京の味。あちこち180店。町から町へ味から味... 続き

コメント

東京の町の隅から隅まで日常的だけどそこでしか味わえない食を丁寧かつ軽妙に掬い取った珠玉のエッセイ。

「堂々の厚さ、美しい短冊に切り揃えられた一片を、箸でつまみ上げる。すると、どうだ。きつね色に染まった衣の下からのぞくピンク色のつや。肉がむちっとふくらんで、あたしだけのもの。がしとつまむと、しっとりつややかな肌からほのかに滲み出る肉汁。はじにはきらきらと真珠色に輝くロースの脂。長い一切れを口の中へ運ぶ。嚙む。じゅわあ。嚙む。とろーっ。閉じこめられていたうまみが一気に炸裂して、舌から順番に溶けてしまいそうだ。」
P061 「とんかつの聖地へ新橋」

オノマトペを使って今にも空腹時注意もしくはお腹を鳴らす描写でありながらどこか上品さを残しているのも良いところ。
ちょっとした現実逃避をしたいとき息抜きをしたいときパラっとめくる。現実世界につながっているので逃げていることを感じさせない首の皮一枚つながっている感とでもいうべきか。日記「春隣の日々」の素敵な虚構世界に浸る。

単行本版は表紙のデパート屋上が郷愁を誘うが
本文中にデパート屋上の話は出てきません。

読者

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平松洋子の本

おいしい記憶

おいしい記憶

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ひで

とある会社のIT担当者でしたが、…

読んでいて、お腹が空くという感じまではいかなかった。珍しい人の文章が読めるので、興味を持って読み進められた。

4か月前

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ひさしぶりの海苔弁

ひさしぶりの海苔弁

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渡辺洋介

神田村経由専門書版元

「氷水できいんと冷やしてからおもむろに齧る」氷水漬け胡瓜と添えられた貝殻の静物画のような美しさ「きゅうりをがぶり」、「雪降る夜中ひとりブランコに揺られている志村僑を蹴飛ばすような狼藉である」なぜかブランコに揺られる油揚げのシュールさ、映画「生きる」からだとおもうけど、ゲゲゲの鬼太郎に登場する「ぬりかべ」のようなちっちゃい手足のついた油揚げがブランコに揺られている図に微笑む「油揚げ産江」など安西水丸さんのイラストが素晴らしい。 ところでなぜ油揚げと志村僑が結びつくかというと 「焙って生姜醤油を添えれば、日本酒ぐいぐい。はんぶんに切って袋にし、ブルーチーズを詰めて焼けば、白ワインがぶがぶ。なのに脇役の顔を崩さず、あくまでも寡黙。志村僑の顔など浮かんでくる(アブラっ気の抜けかげんが極限の近似値)。」だそう。面白い。

10か月前