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かつてヨーロッパを死の恐怖にさらしたペストやコレラの大流行など、歴史の裏に潜んでいた「疫病」に焦点をあて、独自の史観で現代までの歴史を見直す名著。紀元一二... 続き

コメント

下巻。モンゴル人が拓いた交易ルートは東西文化の混交をもたらしたが同時に疫病の混交ももたらすことになった。特に名高いのはネズミに付くノミが媒介するペスト。モンゴルの草原からヨーロッパに惨劇をもたらしたペストがどうやって消えて行ったのかを跡付けながら、齧歯類へのペスト菌の伝播と人間社会での流行との相関を明らかにしたり、そうした疾病との関係がどれほど人間の歴史に影響してきたのかを犀利に明らかにしている。
文献などによる明確な証拠に欠けており、推測に頼らざるを得ない部分が多いきらいがあるにしても、同著者の『戦争の世界史』同様に説得力があってなるほどとうなずかされることが多い。

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ウィリアム・H. マクニールの本

疫病と世界史 上

疫病と世界史 上

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fuku

設計事務所勤務ゴミリーマン/元ク…

かの有名なジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』のネタ本の1つとされる名著。たしかに一読そう感じられる。 ピサロやコルテスがラテンアメリカをたやすく征服できたのは、優れたテクノロジーなどもそうだけれど、天然痘をはじめとする旧世界の疾病にやられたからであるとか、ペストやコレラなどの疾病が世界史に与えた影響をグローバルな視点から詳細に指摘している。信頼に足る文献や考古資料の欠落はいかんともしがたいとしても、技術の進展の度合いや文化的な差異からだけではスッキリと説明がつかない文明間の消長が腑に落ちる形で明らかになってくるのにはとても興奮させられる。 皇帝までが斃れ、瞬く間に人口を失ってしまえば、免疫を持たない天然痘によるものという知識のない中では、そうした惨禍が神から下された天罰であると思い込むことは無理もないし、さらに征服者たちはなぜか天罰から逃れているように見えるわけだから、どれだけ強大な帝国であっても、抵抗への気力は削がれるに違いない。

10か月前

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