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第二次大戦下、神戸トーアロードの奇妙なホテル。“東京の何もかも”から脱走した私はここに滞在した。エジプト人、白系ロシヤ人など、外国人たちが居据わり、ドイツ... 続き

コメント

東京の人にとって馴染みがないかもしれないが、
神戸という街は関西人にとっては大きな街なのだ。

港街であること、自由であること、
京都でも大阪ない、洒落た街なのだ。

さて、この小説に話を戻すとしよう。
戦時下の神戸に集まった得体の知れない人々。
彼等が繰り広げる断片的な営み。

彼等の営みが西東三鬼の視点を通じて、
言語化されている。

戦時下から戦後の表舞台には姿を現すことのない
市井の人々の暮らしがそこにはある。

ただ一つの合言葉は『自由を我等に』。

EUが悪戦苦闘して実現しようとしているコスモポリタニズム的な社会が、戦時下の神戸で産声を上げている。

自由であることを信条に営まれる人々の在り方が
どういう訳か全く古臭くなく、説教じみていない
文章で綴られている。

やっぱり港街、そして神戸はいい街だ。
グダグダした感想はこの小説には似合わない。

つまるところ
あらゆる時代をも美しい文章に昇華できる。
それが物語のいいところ。

とにかくみんな、読んでみて!

読者

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西東三鬼の本