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コメント

「ははーん、さすがかぐや姫…僕の胸を焦がすアツアツの恋心…」

豪華作家陣による、古典作品の現代語訳である。
背伸びして原文で読んでも、内容をなぞるだけで終わってしまいそうだが、この新訳は登場人物たちの細かな心情や、美しい和歌をじっくり味わうことができ、笑うべきシーンでは笑うことができる。
特に素晴らしいのは、中島京子訳の「堤中納言物語」だ。和歌を現代語でも5・7・5・7・7に訳した手腕は圧巻である。

竹取物語ってこんなに味わい深い作品だったんだ。日本の古典文学って面白い。どの人の訳もわかりやすくて読みやすい。

たった今読み終わって、私は素晴らしい余韻に浸っている。色々な思いが頭の中をすごい勢いで通り過ぎていく感じ。これに関してはひとつひとつ感想を述べたい。
・竹取物語
読んだことのない話ではなかった。ただ、今回森見登美彦さんの訳で全く違った竹取物語を見ることが出来た。こんなにも鮮やかな作品だったかと目を見張った。
・伊勢物語
川上さんもあとがきで言っていたが、それぞれが和歌を中心とした男と女の愛のさまをはっきりと表していて、その世界に引き込まれた。また、今まであんなに分厚い本を読んで感じ入っていたことがこんなにも短い(時には1ページにも満たない)文章で伝えられるということに驚いた。
・堤中納言物語
これにはニヤリとさせられっぱなしだった。それぞれの短編がそれぞれの光を放っていて全く飽きない。また、1000年ほど前の人々の生の暮らしぶりが詳しく描かれておりしばし私の心は現代を離れていたように感じる。
・土左日記
土左日記はただ男が女のフリをして書いた日記だとばかり思っていたから、はじめに男文字で緒言が入っていることにはとても驚くと同時にそのイメージを大きく変えられた。「文字が果たす役割はそこにないものをあるように見せることだ」という(若干変えてはあるが)紀貫之の言葉が深く胸に残っている。
・更級日記
これも概要は知っていた。「本が大好きな女性の話」と。そしていつか必ず読もうと心に決めていた。だから、今回読んでみてその考えが非常に私に似ていることにとても嬉しくなった。また、夢と彼女(もしくは当時の人々)の関わり方の現代との違いに驚いた。

こうして書くと私は、驚いて嬉しくなって目を見張ってニヤリとして、と随分感情豊かに作品を読んでいたようだ。今まで古典作品は国語の「問題」でしかなかったから、今回深く味わうことが出来て本当に嬉しい。このシリーズをまたいくつか読みたいと思う。

2016-07-26

竹取物語と堤中納言物語が好きで買ったけれど土佐日記がべらぼうに面白くて紀貫之に惚れた。名言多いよ、「いまの自分を表現するために、私は新しい混沌をつくりださなければならない」とか。もうほんと痺れる。

読者

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の本

東京ヤミ市酒場 飲んで・歩いて・聴いてきた。

東京ヤミ市酒場 飲んで・歩いて・聴いてきた。

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Toru Omae

欧米ミステリを中心に読んでいます…

自称「路地徘徊家」が戦後のヤミ市をルーツとする酒場を案内した本。グルメガイドのようなタイトルだが殆ど紀行文学と言ってもいいと思う。取り上げられている街というか横丁は新橋、新宿、渋谷、池袋、大井町、神田、赤羽、西荻窪、吉祥寺、溝の口、横須賀、野毛、船橋。それぞれのルーツを昔を知る人に取材したもの。内容もそれぞれ興味深く素晴らしいのだが黒地秀行さんの盛り場を描いたイラストレーションが素晴らしい。これは画集としても手元に置いておきたくなった。

4か月前

さよならの朝に約束の花をかざろう 公式設定資料集

さよならの朝に約束の花をかざろう 公式設定資料集

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Masahiro Kishi

書店現場購入主義

こちらはキャラ重視の設定資料集。カラーで緻密にキャラや世界観ののディティールもある。背景美術画集ぶんもあるがわずかになり、そちらに委ねた方がいい。完全なファンタジー世界で、世界名作劇場を見てる感じはややある。血の繋がらない母と子、愛することを禁じられても愛すべきこと……運悪く初上映日が、自分には初不幸になってしまって、映画のあるシーンで泣いた作品だったと思う。

5か月前

さよならの朝に約束の花をかざろう 公式美術画集

さよならの朝に約束の花をかざろう 公式美術画集

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Masahiro Kishi

書店現場購入主義

東地和生美術監督のさよ朝裏方の美術画集。アニメ美術で最も影響を受けた。アニメの世界にとどまらず、文字やニッコリマークのデザインにも衝撃を持って。さよ朝の映画は3回、今後地元でも上映が予定されており見れれば4回(うち試写会1回)見れることになる。友達から広島で東地美術監督が登壇された際、色は多く使ったが今回は黒も多く使った。だが、その中に暖かい黒があるので探して欲しい、とコメントがあった。暖かい黒。それはどんなところで使われたのだろう。本書を読むなり映画を見るなりして探したいと思う。

5か月前