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SFの抒情詩人が豊かな感性と叡智をこめて現代文明を痛烈に諷刺! 名作待望の新訳版華氏 続き

コメント

近未来SFの最高峰。レイ・ブラッドベリがやってくれた。本、火、記憶、魂、希望、キーワードはこんなところだろうか。プルーストとも繋がる。最近紙の本を読まなくなってしまった人は、この本だけは読むといい。そして悩むといい。

普段SFは読まないけどstandで気になって読んだ。本が禁制品となった世界。物事を深く考えない方が幸せ…?
ミヒャエルエンデのモモにも通じる。

「細部を語れ。生きいきとした細部を。すぐれた作家はいくたびも命にふれる。凡庸な作家はさらりと表面をなでるだけ。悪しき作家は蹂躙し、蝿がたかるにまかせるだけ。」p139
この言葉を体現する本作の著者と訳者に賛辞を。

自分の視座以外、物事を見ることができない世界。そんな世界では、物事を主観的に見ることが当たり前になり、もはや考えたりはしない。活字離れが進むと言われる「今」だから、より多くの人に本著を手に取って呼んで欲しいと思う。

写真、テレビ、ラジオ様々な媒体が生まれ大衆の心を掴んだ。しかし中身は単純化された。20世紀になるとフィルムの速度が速くなる、本は短くなる、ダイジェスト版にされる。19世紀は馬や荷車スローモーションだった。
スポーツ、漫画を増やし心が吸収する量は減りみんなどこかを目指し結局どこにも行き着かない。
そんな未来の世界の話です。
どこかイライラしていて異端者を許さない日本の現状と似てる気がしました。

今は映像の中でしかリアリティを感じられなくなってしまい、カメラで撮らないと楽しいデートにならない、美味しいご飯にならないという話を聞いて、少しリンクしている様に思えました。

知らず知らずのうちに考えたけど考えたつもりになってるのかも知れません。
SFですが、不思議とこの世界の現状がわかるリアリティのある話でした。

この小説の中で人々は考えるのをやめている、、でも、本人たちは『考えた気になっている』という描写が一番怖いと思った。 #本結

無知が故の平穏と幸福を失っても、私はもっと色んなことを知りたい、感じたい。だから本が読みたい。

焚書なんてなくても似たような状況にはなっている。より反射的で独善的に。

すべての問題には、ふたつの面があることを教えてはならん。ひとつだけあたえておくのが要領なのさ。

クラリスみたいな女の子がタイプのど真ん中なので、出番少なくて寂しかった・・・

原文が韻を踏んだり、ダブルミーニングが多用されているらしくて、翻訳も苦労がうかがえます。
何が起きてるか分かりづらい箇所もありましたが、情景描写の語彙が豊富で、日本語でも原文の詩的な雰囲気が伝わってきました。
あとがきにもありましたが、ファイヤマンを、焚書官(旧翻訳)→昇火士(新約・造語)はナイス翻訳だと思います!

本ってたしかに読むのめんどくさいんですよね。ページめくらないといけないし。
そして、そんなめんどくさい事を好むのは、やっぱりめんどくさい人が多いのでしょうか。
この世界では、本は過激思想を生んだり、罪悪感を抱かせたり、混乱や鬱や自殺を生むとされて、危険物扱いになっています。

個人的に、今の世の中のスピードについていけないと常々感じています。
作中で単純なもの、簡単なもの、楽しいもので人生の時間を埋めていく人たちが出てきますが、少し前のことも覚えられなく、何も考えられなくなっていく様子に、フィクションと思えないうすら寒さを感じました。

火はスピードの象徴でもあり、スピードを追い求めた世界のいく末は非常にあっけなかった。

後半の、自然に触れたときのモンターグの様子は、病的な都市からの開放感もあいまって、風の音と土の匂いがするような気持ちよさ。
モンターグが全身の感覚をめいっぱい使っているのが伝わってくる、自然の圧倒的な存在感。ブラッドベリ氏の観察力がすばらしい。
世界は、決してわかりやすくはないけど、こんなに素敵なんですね。

わかりやすい気持ち良さを追い求めがちな世の中ですが、
めんどくさい物が与えてくれるものは、きっと多いはず。
読み終わった時、ジョージ・カーリン氏の詩「この時代に生きる私たちの矛盾」を思い出しました。

焚書を仕事にしている主人公が読書のすばらしさに目覚めていく。その描写がなんとも言えず素晴らしい。

本が禁じられた世界を描いたディストピアもの。映画もいい。

*
目まぐるしく情報が氾濫する現代を予想し、危惧した作品。ゆっくり思索に耽る時間の大切さを実感した。

本とは何かを問う本。
幸福な世界に本は必要なのか。必要じゃないのか。物事の本質を知り悩みぬく人と、物事のうわべしか知らず何も考えない人、どっちが幸せなのか。

この物語の描く社会では、人々は焚書に慣らされ、すでに自ら考えることを放棄してしまった。

出版から60年以上経た今なお読者をひきつけるのは、出版文化の危機への不安の裏返しなのかもしれない。

映画も名作です。監督はフランソワ・トリュフォー。

本を読むのが禁じられた世界。本がある家に行って燃やしてしまう昇火士という仕事をしている主人公が読書に目覚めていく。

大切なのは本そのものよりも、本をきっかけに感じ、深く考えること。

だとすると、本が無くなったとき、別のフォーマットが生まれてもおかしくないように思う。

誰も何も考えなければ何も生まれないけど、どんな世界でも考えることを止められない人は居そう。

煙の中で、燃え、消え逝くは、智。

インターネットが普及し、知りたい事を瞬時に知る事が出来る今。
その価値を、《知識を得られる事の価値》を、その幸福を。
我々は改めて、知るべきだと思う。

イヤホンを耳にはめるとき、たまにこの本を思い出す。

記憶が意味を持たない情報垂れ流しの時代。スマホをはじめとするネット社会の行き先がこうならないといい。

読者

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レイ・ブラッドベリの本

華氏451度

華氏451度

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くすまり

読書だいすき

読書は良いことだとか、本を読みなさいとか、学校の先生から言われて強制的に読まされることによって、本の有り難みとか大切さが失われているように思う。そんな強制しなくても、必要ならば人は求めるのではないだろうか。 何かをコントロールしようとした時、確実に何かが失われる。 本の大切さは自分で体感して掴み取るしかない。その感覚がある人だけが、本から恩恵を受け取ることができるのだろう。

10か月前

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