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高校の先輩、小田切孝に出会ったその時から、大谷日向子の思いは募っていった。大学に進学して、社会人になっても、指さえ触れることもなく、ただ思い続けた12年。... 続き

コメント

ジャズバーで出会った女と男の長い日々が書かれた小説。この二人、付き合っているような、そんなに仲が良くないような微妙な関係。男が入院して、女が男の入院先にせっせと見舞いに行くなどくっつきそうな展開に何度もなりますが、くっつかず微妙な関係のまま小説は終わる。この小説の見所は女と男の繊細な部分かと。著者の絲山さんの書かれる小説は、アクセルを踏んで突っ走るような小説もあれば、狭い道を慎重に走るような小説もあるのではと。この小説は後者かと。繊細な気持ちを慎重に書き出している感じ。そしてゴールがないのがゴールな小説。

その他のコメント

袋小路の男に翻弄されても、憎めず手を伸ばしても、どこかへ行ってしまう、という体験あり。この頃の絲山秋子作品好き。

手っ取り早くない愛。女友だちになんと言われようと、あっさりと一線を越えない男女がすごく好きです。幸せな読後感。

読者

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絲山秋子の本

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離陸 絲山秋子

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読んだなら、書こう、なるべくなら…

離陸。彼、彼女達の突然の死と不在を掌にじっと握るうち、語り手たる佐藤弘、サトーサトー、イローはその比喩に到達する。 文庫帯文にある彼、佐藤本人の言葉にあるように '' 距離というものは、自分とどこかにいる人との位置関係にすぎないのではないか。相手がいなくなれば、二点のうちのひとつが消える。距離も消える。消滅する。'' サトーサトー、佐藤、イローにとって彼、彼女たちはいなくなったのではない。離陸したのだ。まだ距離は存在する。消滅などしていない。いつか近づける。そばに行ける。その願い、祈りは確かに胸を打つ。 のだが、のだけど。

4か月前

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スモールトーク 絲山秋子

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さすらいのアリクイ

兵庫の山の中で暮らしています

参加予定の読書会の次のテーマが「会話」で、何か会話が特徴的な本はと探していたらこの本を思い出し、発表の準備で再読。画家の女性の主人公が昔付き合っていたらしい音楽プロデューサーの男と色々な外車に乗って色々喋りながら色々な場所へ行くという車の小説。互いに「外車が好き」という共通点があるということでが小説のキーではないかと。相性が悪そうな二人が何故乗ってる車や互いの性格などをペラペラ喋りながらあちこちに行くのか?それは互いの外車好きさ加減を確認したかったからなのではと。会話は軽いが、その会話の軽さから人生のコクの深さが味わえる小説ではないかと僕は思います。

4か月前

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ラジ&ピース 絲山秋子

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昔の記録に

東京生まれの自分にいまひとつ自信が持てないラジオのアナウンサーが北関東の群馬に心機一転してFM放送に再就職。そこで起こる日常を描いた作品、「ラジ&ピース」と、男と女の関係の妙を女の側からある意味本音で見せた「うつくすま ふぐすま」の2本の短編集です。 絲山さんは他者との関係性の微妙さを描き続けていると私は思っているのですが、今回はその他者が飲み友達だったり、同僚だったり、昔の彼氏だったりするのですが、今回はさらにその上に匿名の不特定多数のリスナーを相手としているところが今までと大きく違うところだと思います。それだけに意欲作ともいえると思います。もちろんいつもの絲山さんの文章ですから、非常に読みやすく、それでいて気持ちの良い距離感があります。しかし、私には閉じた関係、2者か3者くらいがやはり面白く感じられます。 それでもラジオのパーソナリティの特異性というか、可能性を感じさせる出来栄えに、また現代日本の女性の生態にリアリティがあり、スマートでそしてちょっと変わっていて、良かったです。主人公の野枝がラジオという媒体の内向きか、外向きかに気付かされる場面は好きです。 また、短いながらも「うつくすま ふぐすま」も本音と、男気ある女の生態がストレートに語られていて良かったです。飾らない言葉と態度が微笑ましいですが、昔からきっと女の方が男気あるんですよね。最後のセリフがあまりに凄くて私は好きです、たとえ言われる側に立っていたとしても。 現代の女の生態(のひとつであることは間違いない)に興味がある方に、ラジオが気になる媒体だ、という方にオススメ致します。 2008年 11月

5か月前

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