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古書店アルバイトの大学生・菅生芳光は、報酬に惹かれてある依頼を請け負う。依頼人・北里可南子は、亡くなった父が生前に書いた、結末の伏せられた五つの小説を探し... 続き

コメント

見逃していた米澤穂信の作品。

古書店の店員である主人公の元に、ある日寄せられた奇妙な依頼。それは、今は亡き無名の作家が残した5つの短編を集めて欲しい、というものだった。
報酬に釣られて引き受けた主人公だったが、集め始めた短編にはある家族に纏わる秘密が隠されていた。

といったあらすじ。
メインの推理は中々の面白さ。作中作として5つの短編もしっかり書かれる所が面白く、その分作者の苦労が偲ばれる。
そして「追想五断章」という名の通り、5つの断章についての追想、といった趣のある作品だった。作品を探す主人公はたしかに主人公なのだが、過去の事件と今の自分には何も関係が無い。それを思う主人公は、きっと羨望すら感じていただろう。
劇的じゃ無くても人生は続く。毎度の事ながら、今回もほろ苦さを噛み締めつつ読了。

読者

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米澤穂信の本

ふたりの距離の概算

ふたりの距離の概算

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ぬぬに

非ワカモノです

古典部シリーズ五作目。 ここからは非アニメ化部分かな。 せっかく古典部に入部してくれそうだったのに、誤解が誤解を招いて、退部してしまいそうな一年生をなんとかする話。 さんざん省エネ主義を標榜しておきながら、こと千反田案件となると俄然本気出してくる折木君がステキ。マラソン大会中に事件を解決してしまうとか神業に近い。 米澤穂信作品らしく、タイトルには複数の意味合いが込められており、物理的な距離以外に、多くの人々の心の距離も推し量っていく進行が上手い。

約2か月前

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リカーシブル

リカーシブル

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暇人

本の感想を書く場を求めて

本の帯に「ボトルネックの感動ふたたび」とあったので警戒しながら読んだ一冊。 主人公はまだ中学一年生という若さで苦難に直面し、小学三年生の弟は弱虫で生意気で、引っ越してきた町は不気味。 読み進めるほどに曖昧だった不安の正体がはっきりとし、ついで主人公の現実にも危機が迫る。しかしボトルネックの時と違う最大のポイントは、「生きる意志の強さ」とでもいうべき力が今作の主人公にちゃんと備わっていたということ。 未来は不透明だし不安要素ばかりだけれど、作中の謎を解き明かす頭脳と根性と優しさがあるから、主人公はきっと大丈夫だ。強く生きてくれ。

3か月前

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遠まわりする雛

遠まわりする雛

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ぬぬに

非ワカモノです

古典部シリーズ四作目。 過去三作と違って、本作に「連作ミステリ」の要素は無いのだけど、「連作小説」であることの工夫は凝らされている。 収録されている七編は、古典部の春夏秋冬、一年間の出来事をつづっていく。時間の流れと共にキャラクターたちの関係性も変化していく。 「省エネ主義」を標榜し続けていた、主人公奉太郎の変貌に注目かな。 ラストの「遠まわりする雛」は古典部シリーズでもっとも美しい物語の一つだろう。

4か月前

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犬はどこだ

犬はどこだ

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暇人

本の感想を書く場を求めて

「犬を探そう」と心を決める所から始まり、「犬を探そう」と心を決める所で終わる小説。 もう少し具体的に書くと、迷子犬探し専門の探偵になろうと事務所を立ち上げた所から始まり、身の安全のため番犬を飼おうと決意する所で終わる小説。 さらに具体的に書くと、『失踪した女性の行方探しと古文書の解読を依頼された新米探偵がそれらの捜査を続けるうちに、全く別々と思われた二つの依頼に関わりがある事に気づく。果たしてその真相とは?』といった小説。犬はどこだ。 米澤穂信らしい苦い小説。ボトルネックよりは苦くないけど古典部シリーズよりは確実に苦い。にがいとくるしいは似てますね。

4か月前

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