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コメント

重い
何度も読み返してより深く理解したい。きっと三島作品でいちばん好きなものになる。

主人公・溝口は幼い頃に父親から、見たこともない金閣寺の美しさを、世界一のそれだと教えられてきた。
それ以来、彼の心は金閣寺一色に染まる。
そして、金閣寺のそれが彼の全ての美意識の基準となる。

溝口の想像力を余すところなく吸い続け、豚のように肥大した想像の中の金閣寺は、悉く溝口の日常を前に燦然と立ちはだかってビクともしない。

特に、童貞をコンプレックスとする作者同様の悩みを持つ溝口。
彼の中の金閣は、それでも女性美をすらただの肉塊と化させ、路傍の石ほどの価値にしてしまう。

金閣寺は彼を縛って離しはしない。
世界は認識ではなく行為によって変化すると説く溝口。
次第に彼にとって美そのものが怨敵と成り果てた時、彼は決意する。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
日本人には特有の【破滅への美徳】があるという。

この金閣寺に、それが良く表れている。

金閣に対して失望、愛、美意識を抱く主人公。鶴川や柏木との出会いを通じて、次第に八方塞がりに陥る。人生のあらゆる隙間を埋められ、観念に囚われる主人公が何を思うか。生きる希望と失望を与えてくれる傑作。

間違いなく人生変えた一冊。

「逢佛殺佛。逢祖殺祖。逢羅漢殺羅漢。逢父母殺父母。逢親眷殺親眷。始得解脱。」

60年も前の小説なのに主人公の劣等感に共感してしまうところがあって驚いた。
面白かった。

青年僧が金閣寺を放火してしまうまでの心の動きの描写が素晴らしい。

美に対しての三島由紀夫の価値観がそのまま描かれているような気もした

夜の金閣寺で柏木の吹く尺八を聴く場面がとても良かった

世界は想像だにせずほど、至極、単純。モノとコトがある。以上。ダン。

世界の複雑さは決してそこにあるのではなくて、むしろこちら側にある。というか人間がその世界の一部であるがゆえに厄介。

金閣寺の「私」は拗らせてきた人間の典型だ、などと考えると見誤る。多かれ少なかれみな拗らせてきた、ぼくたちわたしたち。AというとBになり、コーヒーといえばお抹茶になる。美しさは醜さで、潔さはスティッキーな女々しさだ。決してヒューマンビーイングではなく、「人」としか言いようがない存在。群像がややこしいのではない。人は群れなくてもややこしい。

最後のタバコをふかすシーンはなんて素晴らしいんだろう。金閣を燃やして得たものは、罪悪でも、自暴自棄でもなく、純粋な世界に対しての自信だった。

自分と違う価値観を知った。辛かった、悲しかった、そこに生きた人を。感動した。

「生きようと私は思った。」

人生を才能によって絶たざるを得なくなる当時30の三島由紀夫の傑作。ひとの心に機微で自らの心にとても繊細。

三島作品気になる。

美は完結していなくてはならず、また絶対不可侵でなければならない。大衆化していく金閣寺を「守る」ために溝口は火を放つのか。

最後、死ぬのを諦めた溝口に希望のようなものを見出している。生によってその事象も青春となるのか。
いずれにせよ溝口の生死はこの物語の意味を変えてくる。

余談だが私の祖父宅にも金閣寺の模型があり、それこそ模型を覆う薄いガラスがカタカタ鳴っていた。

読者

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三島由紀夫の本

美徳のよろめき

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小説/デザイン/美術書など コメ…

0037 2018/07/12読了 婦人科の待合室で読むべき本ではなかったかもしれない… 不倫はいつの時代にもありますね。 上流階級の人の贅沢な悩みですね…。

10か月前

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永すぎた春

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なおちゃん

なおちゃん25歳!!

倦怠期のカップルが結婚するまでの話。 なんでもない話だけど、現代と違った常識とか、話し方とかが面白くて一気に読んだ。 郁雄と百子の感情の描写だけやけにリアルで詳細で、登場人物はそれなりに多いんだけど2人が際立ってた。 好きな小説。

1年前

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沈める滝

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イトウ

学生

血統の良いモテモテの男が俗世間と隔絶した場所にいく、というのは源氏物語みたいだと思った。三島由紀夫は綺麗だけどくどくない。

1年前