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コメント

氷の惑星にひとり派遣された使節の男。はじめ国賓として迎えられ、やがて逃亡者の身に。異文化接触の旅というべき物語。人類学的SFといわれるルグウィンの惑星デザインも見どころ。

その他のコメント

冒頭だけ読んで、難しそう・・・と思って長く積んでたんですけど、読み始めたら好奇心をくすぐる異星の風景と、魅力的な登場人物(というかエストラーベン)に引き込まれて一気に読み終えてしまった。

ゲセン人は両生体で発情期があり、相手とのコミュニケーションで性別が瞬間的に変わるタイプの人類なので、ジェンダー的な縛りがない。
男でもあり、女でもあり、官僚であり、逃亡者であるエストラーベンは、男のように行動力があり寡黙で、女のように忍耐強く計画性があり、官僚らしく民衆を気遣い、逃亡者らしく周囲に期待しない・・・という各ラベルの良いところを凝縮したような人物で、地球人だったらリアリティがない・・・と思うな高潔な人物ですが、異星人だからか自然と受け入れることができた。

(ゲセン人は性別がないので、逆に男のように粗暴で、女のようにだらしなく、民衆を搾取し周囲に甘える・・・というようなところまで落ちることもできるんだろうな・・・とも思う)

しばしば、「具体ではなく抽象を大切にする」旨の描写が出てくるのですが、まさに真の愛や友情は相手を傷つける面や不理解の領域を含んでいるし、真の使命、真の誠実さというものはそれに相反するような微妙な要素がいくつも混ざり合っていて形作られていて、一見分かりづらいけれど、人類はそれをわかる努力をしていかねばならない・・・みたいな抽象的な感想を持ちました。

追記・この作品が1969年に書かれていたなんて!価値観や異世界のセンス、翻訳の文体もぜんぜん古く感じなくててっきり2000年以降に書かれたものかと・・・!!ひええー

最高のSF小説の一つ。異文化理解について考えたい人は小難しい本よりまずグィンを読む方がためになる。

読者

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アーシュラ・K・ル・グィンの本

風の十二方位

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inoue

Webエンジニア

ルグィンの長い創作活動を横断するような短篇集。のちに長篇に発展した作品も。一作ごとに自由な異世界を楽しめます。タイトルが格好いいですね。

約1年前

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