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月の光でお読みください。  夏の夜更け、アメリカ東海岸の海辺の町、眠らずに過ごす、さまざまな境遇の男女がいる。  何を求めているかもわからず、落ち着かない... 続き

コメント

ほぼ満月の夜に、あちこちで起こった不思議な出来事。最初は読みづらかったけれど、仕組みがわかると、3分の2を過ぎたあたりから比較的スムーズに読めるように。
全てが月夜の青い光に包まれた物語。

その他のコメント

アメリカの小説家ミルハウザーの中編小説。夏、とある町の人々が出会う不思議な夜の出来事。
メリーゴーラウンドで聞くたぐいの悲しく快活な音楽、という一節が出てくるが、まさにそのフレーズがこの小説を言い表している。場所はアメリカでも、なぜか普遍的なノスタルジーとミステリーが感じられる、夏の夜に味わう魔法のような小説。
なんで昼間に読んでんだよって感じですが。

読者

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スティーヴン・ミルハウザーの本

木に登る王:三つの中篇小説

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fuku

設計事務所勤務ゴミリーマン/元ク…

名手ミルハウザーの中編小説3編。訳者柴田元幸の解説にもある通り長いの短いの、なんでもござれのミルハウザーだけれども、まるっと一つの世界観を描き切ることができる中編小説はふとしたエピソードを通じて世界のありようを切り取って見せる短編とはまた違った面白みがある。 亡夫との思い出がつまった家を売りに出している未亡人の客相手の独り語りがやがて夫婦の秘密を明かしながら二人をがんじがらめにする最初の一編、伝説の放蕩者ドン・フアンが巧みな機械仕掛けの発明家の地所で過ごしながら、これまでに尽くしてきた放蕩とはたと無縁になり、自己存在を疑いだす二編目、トリスタンとイゾルデの伝説を下敷きに、二人の道ならぬ恋に気づきつつも自らへの忠誠を盲目的に信じようと虚しく足掻く王の姿を側近の目から描く三編目、どれも不倫というか道ならぬ恋、三角関係をテーマにしているが、怪奇的で少し重くるしい夜の世界のような小説世界は作者ならではだろう。でも、廃墟のような庭園のベンチに地下世界が隠されていたり、庭園そのものもギミックだらけだったりするミルハウザー好みのもろもろが一番楽しめるのはドン・フアンだろうな。 にしてもげに恐ろしきは人間である。 柴田元幸の訳もほんとうに染み通る。

4か月前

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ある夢想者の肖像

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fuku

設計事務所勤務ゴミリーマン/元ク…

ミルハウザーの初期長編。ミルハウザー好みのおもちゃや人形、子ども、月の夜などのモチーフは随所に顔を出すけれども、現在の小さく華奢なガラス細工のような味わいに比べて、手の込み具合は変わらないにしてもゴツゴツしたゴシックの彫刻みたいな重々しさがある。 気違い染みるほどまでに細部がびっしりと余すところなく描かれ、それが執拗なまでに繰り返される。ある場所で感じられたイメージがふとした拍子にまた現れる。全編を通じて色褪せて暗いことが中心的な描写は常に重くてくどくて濃いが、退屈に倦み疲れた子どもというか、自意識過剰でひねこびた思春期の少年がたどるであろう道(もちろん結末は大違いだとして)、あるいは閉塞感がどれほど逃げ場のないものなのかを表しているのだろう。 かつて退屈に倦み疲れた、自意識過剰でひねこびた少年であった人なら必ず理解できるのでは。確かにくどくて暗くて読みにくく、人を選ぶ小説だと思うけど、退屈に倦み疲れた、自意識過剰でひねこびた少年では「なかった」と胸を張れる人がどれくらいいるだろう。

1年前

イン・ザ・ペニー・アーケード

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Toru Omae

欧米ミステリを中心に読んでいます…

柴田元幸さんの翻訳に注目するようになって知った作家のミルハウザー。 とにかく独特の世界を作る作家で、精緻を極めたからくり人形であったり地下遊園地であったり...独特のコクのようなものがあってダメな人は全く受け付けないであろう作風。 本作は短編集で三部構成になっとおり、一部がからくり人形作者の一遍、二部にいわゆる普通のアメリカンな短編がいくつか、三部に寂れたゲームセンターから想起されるイメージを描いたタイトル作を含む作者らしい幻想的な短編をいくつか配置しています。 最後に収録された「東方の国」が白眉でした。 機会があれば手にとって頂きたい作家だと思います。

2年前