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コメント

文句なしに面白い!とはこの小説のことだろう。
第二次世界大戦中のドイツ軍落下傘部隊による英国本土でのチャーチル誘拐、という暴挙とも言える作戦に、
作戦を指揮するドイツ軍将校も落下傘部隊の歴戦の勇士も諦観の域で死に場所を求めるかのように、士気高く遂行していく。
抗いきれない立場であろうとも、自分の意思に信念を持って行動することこそが人間の最も優れた価値であることを極上に面白い娯楽小説の形で明朗に伝える。
なんといっても魅力あふれる登場人物の面々。男も女も皆とにかくヒロイックで、自分の思っていることを闊達にシニカルに語る。そして例え獄中であっても決して信念を曲げない。
また航空機、船艇、小火器などの武装から服装や酒、タバコの銘柄までディテールにこだわることでリアリティを演出することに一役買っているが、描写がくどくどしくないのでスピード感に影響させない(もはや馴染みのない機種名や銘柄が登場しても、Google画像検索が楽しみを後押ししてくれる)。
なかでもカバーアートにも描かれているダグラスDC-3がなんといっても印象的。
夢中で読んで「あ!面白かった!」と声に出るほど感嘆した。

読者

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文芸

罪の轍

罪の轍

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渡辺洋介

神田村経由専門書版元

オリンピックの身代金でこの時代を描いた著者による実在の事件をモデルにしたミステリ。 「誘拐」本田靖晴+「少年」大島渚の世界感というべきか。寛治の逃避行の先をもう少し見たかった。 カバー写真は傑作写真集「張り込み日記」渡部雄吉としっかりとした世界感はまさにプロの仕事。奥田作品によく出る やたら勢いの良いレフトの活動家も健在。「椅子に片膝を立て、足に水虫を塗りながら」P.46この場面どこかで見たか読んだ気がしたけど どこだろう。まさにこの時代にありそうな場面。 物語で重要な役割を果たす東京スタジアムその跡地は日光街道上り線千住大橋の陸橋で左の視界に入るのだが(ライフの看板が目印、通り過ぎる度にここがあの場所かと再確認する。 名選手榎本喜八もここでプレイしていたのかと感慨深い。そして現役引退後も上鷺宮の自宅からここまで走っていたのかと。

1日前

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白い僧院の殺人

白い僧院の殺人

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みつちや

推理研究会に入会を機に、読書魂に…

2019 9月課題本 新訳で読みやすさを期待したが辛かった。やはりカーは苦手。 本格的な密室に必然性がいるとHM卿が講釈するが、暖炉の燃え具合の説明も後からで凶器もまた苦しい。しかしまぁ、楽しめたことも確か。見事に犯人間違えたもんね(笑) 古典ですからと言われると辛いがその口で現代の新本格を弾糾するのも如何かと思われる。 余談ですいません…

1日前