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いまから3000年前、ギリシャや中東など地中海沿岸では複雑に入り組んだ国際関係が出来上がっていたのが、海の民と呼ばれる侵入者によって突然の終焉を迎えるのがタイトルになっている紀元前1177年。しかし海の民とはなんだったのかは未だ明らかでなく、より複合的な原因があったことを論ずる著者による綿密な調査研究が圧巻。
エジプトにヒッタイト、ミタンニ、ミュケナイ、バビロニアなど多数の国が交易や戦争などを通じて現代に通じるような国際関係を築いていたことには素直に驚かされた。例えば青銅器に必須の原料である錫が現代の原油のような極めて戦略的な資源となっていて、その需給バランスの崩れが入り組んだ国同士の関係に大きなインパクトを与えていたことなど、まさに歴史は繰り返すんだなと。
また、考古学の研究にも流行り廃りがあるというのもなかなか面白い。

今のギリシャ、トルコ、シリアからパレスチナ辺り、イラン、イラク、エジプト、当時の国名だとミノア・ミュケナイ、ヒッタイト、ミタンニ、カッシート朝バビロニア、エジプトといった辺りは紀元前1300年頃をおそらくピークとしてかなり高度な文明がありグローバル文明としか言いようのない交流と繁栄をしていたのだという。これが紀元前1177年辺りに一気に崩壊し、エジプトを除く国々は滅んでしまいギリシャに改めて文明が興るまでに数百年を要した、そしてこれら文明の消滅は「海の民」による侵略と破壊が原因と言い伝えられているのだという。本作はその滅亡の原因が本当に侵略によるものなのか、を検証しようという試み。前半では滅ぶ前の繁栄が描かれているのだがこれが想像を超えて素晴らしく、沈没船や粘土板に彫られた文書から多くのことが分かっているのだが、当時の大国同士は縁戚や貿易で頻繁にやり取りしあっており貿易の量も銅が10トンとかそういうレベルでやり取りがされていたのだそうだ。文書も大量に発見され解読されており例えばパビロニアの王がエジプトのファラオに「金を贈ってくれたら娘を一人差し上げます」みたいなものまで発見されているのだという。後半ではそれらがいかに滅んでしまったか、の検証が行われるのだがこちらもかなり説得力のある論旨展開がされており興味深かった。かなりの面白さ。図版の類がもっとあるとより良かったと思う。おすすめです。

読者

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新刊

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ネタバレしてます、読んでいる途中の方は自衛お願いします。 最初は泣けるというありきたりな売り文句で購入しました。正直この本を手に取った時は、彼女は病気になったがそれを2人で乗り越えて彼女は死ぬけどハッピーエンド…で終わると思ってました。というかハッピーエンドが個人的に好きなので、それを望んでいました。ですがそうではなくて驚きました。 最近はバッドエンドルートを回避する、やたら察しのいい人間が付き合っている男女のどちらかにいるのが、割とテンプレになってると思っていましたが、この小説はそういう意味では現実的だと思いました。 晴人は最後に美咲に会いに行きましたが、美咲が既に老婆の姿であるのを知っていながらも、結局は24歳の姿の美咲を探していた。そのまま会えないまま美咲は他界してしまう。このシーンは「やっぱり人間ってこんだけ鈍くて当然なんだなぁ」と素直に感想を抱きました。このことで晴人は絶望し、後悔しますが、そこから立ち上がり美咲と共に見た夢の続きを追っていく姿は、人間としての強さを感じました。 泣きに関しては後半はボロ泣きでした。個人的な範疇からすると、決してハッピーエンドではありませんでしたが、とてもいい小説でした。読んで良かったです。

約8時間前

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零號琴

零號琴

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tasan-d

幅広く色々な本を読みます

一昔前のSFとはかのように面白いものかと思ってしまった!久々の楽しい夢が見れる内容であった。

約9時間前

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日本昭和トンデモ児童書大全

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渡辺洋介

神田村経由専門書版元

40代以上の大人ならかつて子供の時に読んだことがあるであろう現在のコンプライアンスであれば確実に引っかかる胡散臭い児童書の数々を1冊で読めるのはありがたい。確かに興味はあるけど古書市場でプレミア価格がついたこれら児童書を手に入れるのはチョットと二の足を踏んでしまうので良い企画!P.34とP.35で書誌画像がかぶっているけど、これ編集大変そうですね。 悪夢のようなダイレクトな未来像にはならなかったけど ソフトなディストピアと化した2018年ニッポンでこれを読むと味わい深い。

約12時間前

書店に恋して: リブロ池袋本店とわたし

書店に恋して: リブロ池袋本店とわたし

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渡辺洋介

神田村経由専門書版元

リブロ池袋店閉店時の店長によるリブロ史、リブロ本は数多く出ているのだが、著者は元々書店畑ではなく百貨店からの入社なので経営に対しての冷静な視線が面白い。 東京時代の20年間は池袋店の新刊台?入口壁面のあの場所が大変参考になり、今の出版状況を一目で把握できるありがたい場所だった。

約12時間前

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