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南阿蘇のトロッコ駅に週末オープンする本屋「ひなた文庫」

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牛の鳴き声、水路の水の音

阿蘇山麓のカルデラを走る、トロッコ列車の南阿蘇鉄道。その駅舎の中に、週末オープンする本屋が、Octopus Booksひなた文庫です。 まわりは湧水地の豊かな自然。中にカエルが入ってくることもあるというひなた文庫さんに、お話をうかがいました。

── 駅舎が8角形でしょうか? 無人駅だそうですが、都会では考えられないロケーションですね。でも並んだ本がすごく建物に馴染んでいる感じです。いまプレオープンとのことですが、並べた本はどんなふうに選ばれたのでしょうか?

ひなた文庫  駅舎は屋根が12角形で内部が8角形となっています。屋根の形は合併前の阿蘇郡の12町村にちなんでつくられたと聞いています。ちなみにOctopusbooksという名前は8角形とは関係はなくて、私たちの平日の仕事を反映させたユニット名なんです。

私たちがこの駅を最初に訪れた時もこの眺めの良さと、自然の音に包まれた静かな雰囲気に感動しましたし、こんな場所で本を読めたら気持ち良いだろうなって思いましたね。

ひなた文庫  本は半分が自分たちの所有していたもので、もう半分はオープンが決まってから揃えたものです。オープンしてからは、知り合いや近所の方から寄贈していただいたものもあります。今の蔵書数は800冊程です。町の本屋としての役割も担っていけたらという思いもあったので、ジャンルはできるだけ偏らないように選び、幅広い層に読んでもらうことを意識しています。 その他に、駅という場所でもあるので旅や鉄道、アウトドア関係、待合の時間にさらっと読める短編やエッセイ、詩集は充実させようと心がけています。

また、旅の人にもこの地域をより詳しく知って観光してもらいたいので、地域の郷土史関連の書籍を増やして、本オープンの8月2日までには蔵書数1000冊を目指したいですね。

── 考えると駅というのは、いろいろなテーマとつながりますね。ベンチに座布団があったり、カウチが置かれていて、居心地良さそうで、列車を降りてこんな場所があったら足が止まってしまいそうです。

ここでは、コーヒーも飲むことができるんですよね。

ひなた文庫  はい、コーヒーは以前住んでいた広島で出会ったものを卸して頂いています。瓶入りで蓋もできるので片手で持ちながら本を選んで頂けます。今後はサイダーやビールなども置く予定ですよ。

晴れの日は駅舎内を風が抜けてとても気持ちが良いですよ。線路の横を通っている水路からは水源から流れてくる水の音が聴こえますし、時折遠くから牛の鳴き声も聴こえてきてとても落ち着きます。雨の日は蛙の声もよく聴こえますよ。

夜になると線路の上を蛍が舞う

── 水の流れや牛の声を聞きながら読書というのは、最高ですね。サイダーもとても似合いそうです。

阿蘇の山麓で、清流があるという、非常に自然が豊かな土地ですよね。カエルの写真をツイートされてますが、まわりは生き物も多そうです。

ひなた文庫  生き物はほんとに沢山いますね。蝶やトンボ、それを狙ってくる蜘蛛も多いですね。朝、駅舎に来ると蜘蛛の巣に引っかかってしまうこともあります。子供たちが虫取り網を持って駅舎に訪れたこともありましたよ。

あとは線路の向こうの田んぼや近くの樹々には野鳥も多く訪れます。見たことがない鳥だなと思った時には駅舎から鳥の図鑑やバードウォッチングの本を持ってきて名前を調べてみたりしてます。自然を観察しながら本を読むって行為は小学生のとき以来で童心にかえった気がしました。

今の時期は夜になると線路の上を舞う蛍も見ることができます。いつかバードウォッチングや蛍の観察イベントをできると面白いそうだなと思っています。

── イベントも楽しそうですね。蛍が見られる本屋さん、最高です。

一方で、本の特集もありますね。いまは「0展」と「つまみよむ」、これから「アウトドア」と「旅」。特集はどんな感じでやられているのですか?

ひなた文庫  特集は、ちょっと視点を変えた"新たな本の楽しみ方"を模索しながら作っています。本を読む楽しみ以外に「特集」という棚を眺めてもらうこと自体も楽しんでもらいたいんです。本の並びや置いてある棚の形でそこに置かれた本の印象は大きく変わるので、その辺りを意識して棚づくりをおこなうように努めています。

ひなた文庫  「0展」はプレオープンということで「準備期間」的なニュアンスを特集に込めて、各ジャンルの原点をみつめてみるのはどうかなと企画しました。本を集めていく中でタイトルやフレーズに聞き覚えのある古典作品や作家を知り、私たち自身、以前よりも様々なジャンルに興味が広がりました。来てくださった方にとって、「0展」が他のジャンルに興味を持つきっかけになればと思います。

「つまみ読む」では、読書から遠のいている方向けにちょっとした時間におやつをつまむ感覚で読めるような、色んなジャンルの短編集やエッセイを集めてみました。

次回の二つの特集は本オープンに合わせる予定で、夏休みに遊びに出掛けたくなるワクワクする棚を考えています。そのまま駅の中で旅の目的地を決めたり計画を立てるなど、夏の思い出に一役かえるような特集にしたいですね。

ひなた文庫

南阿蘇鉄道 南阿蘇水の生まれる里白水高原駅

土日祝 10:00-16:00 平日もたまに営業

http://www.hinatabunko.jp