Blog category separator

長く愛される家具と本「LONG LIFE DESIGN BOOKS」

0

D&DEPARTMENTの1階に

長く愛され続けるデザインの視点で家具や生活雑貨を販売するD&DEPARTMENT。2015年9月、世田谷区奥沢の東京店に新しい本屋ができました。名前は「LONG LIFE DESIGN BOOKS」。1階入り口から左手にダイニングがあり、本屋はその中央にあります。

新刊と中古書がおよそ2500冊。すべての本はダイニングで読むことができます。セレクトは、旅の本や2階のショップで扱う商品に関する本、レシピの本、グラフィックデザインの本、詩集、d47 MUSEUM企画展の公式書籍、住空間の本などさまざま。カテゴリー分けは白い6つのアイコン。観光、カフェ、食事、ホテル、買い物、人のカテゴリーで置かれています。これはD&DEPARTMENTが発行するトラベルガイド「d design travel」の中のカテゴリー分けと結びついています。

学校で使われていた本棚と小さな図工椅子。「背の高い棚だったので、自分たちでカットしました」お話を伺ったのは、この本屋のプロジェクトを担当する針谷茜さん。POPも自身で書いたり、他のスタッフに声をかけて作っています。

「デザインを感じる空間ということに気をつかいました。一から手作りしましたが、きちんとした印象も持っていただきたいし、ダイニングの真ん中にあるので黒いカーペットを敷いて差別化したり、これからですが照明も改良していこうと思っています」

オープン以来、カップルで大型本を広げながら読んだり、ひとりで何冊も積んでじっくり読んだり。お客さまがそれぞれ自由に時間を過ごすのを見るようになったそうです。

活動のなか出会った全国の本屋さん

全国の本屋さんの出張出店コーナーもあります。2〜3か月ごとに1店ずつ紹介していきます。初回は大分県大分市の「カモシカ書店」さん。「d design travel」の大分号でも紹介されています。11月からは、滋賀県彦根市の「半月舎」さん。同誌の滋賀号の発売に合わせ紹介しています。針谷さんは今年の春までこの「d design travel」の編集をやられていました。

「トラベルガイドを作ったり、全国のD&DEPARTMENTの店舗で活動しているなかで、地元の本屋さんに会う機会が多く、おつきあいが続いている。そういう関係をここに持ってくれば、私たちの活動に参加するみんなでつくる本屋にしていけるかなと思って」

オープンのきっかけも聞きました。

「今までも本を取り扱っていましたが、リサイクルが中心で売り場も少なく本を買う雰囲気ではなかった。私たちがしているロングライフデザインの活動を、本屋として表現したいというのはずっとありました。といってもその解釈のしかたはさまざま。簡単に線引きせずに、ぼんやりした輪郭をじわじわつめていくところに気をつかいました」

ロングライフデザインな本屋とは?

針谷さんは準備を進めるなかで悩み、荻窪のブックカフェ6次元店主のナカムラクニオさんに相談されたそうです。

「みんなで集まって読書したり本にまつわるトークやディスカッションを楽しむイベント『読書会』を以前に一緒に開催したのがすごくおもしろくて。ナカムラさんに聞きに行ったら、そういうときは『読書会』だよーと言われて。そのままロングライフデザインな本とは何ですか?っていうテーマで本を持ちよって開催しました。」

ナカムラさんを含め参加者は6名。自己紹介を交えながら話す。ある人は、「お父さんが読んでいた本はロングライフじゃないか」。ある人は「絵本」。「そんなに読まないけど本棚の一番いいところに置いてある本」。いろんな意見が出たそうです。

「本について話しながら、その人の背景が見えてくるというか。人生についての話になっておもしろかったですね。読書会は継続して開催したいです。滋賀号が発売されたので、滋賀号について語り合う読書会をやりたいです。東京在住で滋賀出身のかたにも聞いてみたい。編集者を交えた合同反省会みたいな(笑)」

D&DEPARTMENTはトラベルガイドという形にたどり着く前、もともとはフリーペーパーを自分たちで制作していたそうです。ただ、デザインに興味のある人にしか届かないのが悩みだったといいます。

「じゃあ47都道府県で、好きな方が多い旅行っていうのをキーワードにすれば、デザインが入り口ではなくても私たちの活動が伝わっていくのでは、と“観光”に着目するようになりました。その活動・視点を凝縮して形に残せるのが本。本を買うときに、1冊の編集を買っている。伝えていくひとつのツールとして、本にしていく意味があるのではと思っています。トラベルガイドの制作と、各店舗の取り組み、そしてこの本屋のプロジェクトを互いに連携させながら、ここの場所を育てていきたいです」

また、これからやりたいことは、不要になった本の買い取りだそうです。

「2階のショップで扱う家具も、不要になったら買い取りをしています。1階の本ももとは3冊持ってきていただいたら1冊と交換というシステムをしていた。それをふまえて今があるので、ここで販売している本も含め、不要になった本は買い取れるようにしていきたいですね」

買い取りは、年内に開始できるよう準備されているそうです。本を通して、じっくりと長くつながることができそうです。

LONG LIFE DESIGN BOOKS

東京都世田谷区奥沢8-3-2 D&DEPARTMENT DINING TOKYO内

11:30 - 23:00 水曜休

www.d-department.com

この記事を書いたのは

池田 真理子

紙の本とビールが好きです