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国分寺の街のつぶやきを拾う 雑誌「そういえば さぁ、」

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ざらっとした感触の灰色の表紙に吹き出しで「あそこ行っちゃったよ、こないだの夜」。開くと、国分寺の夜のリアルな景色が広がります。雑誌「そういえば さぁ、」は、西国分寺のクルミドコーヒーを拠点に9名が作っています。この8月に出した号で3冊目となりました。 何気ない話題から面白さを引き出される記事は、どの街に住んでいても共感できる地元へのこだわりです。編集メンバーの今田さんと伊藤さんにお話を伺いました。

ディープな夜

ーー 第2号になる今回の特集は「国分寺の知られざる夜」。テーマはどのように決まったんですか?

今田 いま国分寺駅の北口が再開発が進んでいて、昔からある飲み屋とか木造の建築の建て替えが進んでいて、好きな喫茶店が無くなったり、夜のあやしいお店とか古いお店が無くなっていってて、ちょっと惜しいなあという思いがありました。夜のあやしさって実は大事なんじゃないかっていうのを話していて、あやしさの楽しさみたいなものを自然な形で伝えるのが特集にならないかなということで進んでいった感じですね。

伊藤 西国分寺も駅の反対側に場末の飲み屋街があって。けっこう入るのに勇気がいるんですよね。前号やったときの打ち上げも、古めかしいビルの居酒屋に入ってやったんですけど、入りづらいんですけど入っちゃったら意外といける、みたいな。そういう店を一軒一軒あたってみれば何かに突き当たるんじゃない、みたいな話がありました。

ーー 編集メンバーの皆さんが特別夜遊び好き、というわけではないんですね笑

今田 夜遊び好きというわけではないですが笑

伊藤 でもみんな夜型ですよね。

今田 生活は夜型ですね。

伊藤 飲み歩いているわけじゃないくて、深夜のファミレスで仕事してたり。

今田 僕は普段飲み歩くとかほとんどなくて、今回6軒もはしご酒したのはすごく新鮮な気持ちでした。

ーー はしご酒の特集は、臨場感がありました。はじめての立ち呑みでサワー、辛子蓮根がおいしいみっくすばー(ゲイの人もノンケの人もみんなOK)、国分寺北口と南口の料理の天才、ジュークボックスがいまだ現役なスナック。だんだんディープになっていく。どこも個性的なお店で、行きたくなります。

今田 読んだ人からもそれぞれここ行きたいという声をいただきました。

ーー カラオケの記事もいいですよね。終電の後も2時まで営業しているカラオケ「歌うんだ村」。その深夜のお店を観察したものです。1週間通って、何も起こらない笑

今田 店長さんと仲良くなっただけという笑

ーー 取材した2人が歌った曲リストが載っていて、リアルですね。

今田 今号は読んだ人も夜を追体験してもらえればという、そんな意識もありました。

ーー 見開きになる中央にあるのは、週刊誌風の見出しで「路上キス全国6位は本当か?」。これはHOME’S総研というところの調査で、国分寺市は路上キスで全国6位にランクされていることから、実際そんなに多いのか検証するという企画です。

今田 そうなのかと納得いかなくてこの辺うろうろ歩いてみたら、ほんとにそうだなというか、本当に6位なのかは確かめられないですけど、びっくりしましたね。駅の近くにちょっと死角になってるスペースがあって、みんな同じ場所に行くんですよね。

ーー ホットスポットがあるんですね。

今田 この路上キス以外にも、アンテナを張って街を見ると何か見つかるという気はしてて。理想としては、雑誌を読んだ前と後では街を見る目が変わる、ということができると面白いかなという気はしてます。

めっちゃ赤入ってる

今田 僕も伊藤さんもそうなんですが、こういうカフェに一人で行くと、お客さんの会話を聞いたりして、こんなこと言ってた人がいたみたいなのを、編集会議に持ち寄る、そういうところから始まる場合が多いですね。

ーー 作る前にかなり話し合いをされるんですね。

今田 そこが結構時間かかっちゃってて、1か月2か月かかるときもあったりします。ネタが決まるまでが、他の雑誌と比べると少し長いんでしょうね。

ーー 2号の奥付によると、編集メンバーは9人ですか。どんな役割分担でやってるんですか?

伊藤 あまり決まってなくて、編集長とデザイナーと、それくらい?

今田 そうですね。あと書くのや突っ込むのやネタ出しや校正や、得意な人がいて、それぞれやってる感じですね。

伊藤 校正はすごく時間かけてやりますね。全員1回は目を通してます。

今田 単純な文字校正だけでなくて、内容の校正というか。

伊藤 取材の過程を知ってるので、ここもう少し面白くできない?とか、そういうツッコミをみんなで入れていく。もうちょっと自虐的に書いていいよとか笑

今田 そうそう笑。僕も今回特集書いてて、みんなからいっぱい書き込みもらって。ほんとにこれでいいの? もっと面白かったんじゃないの、みたいな。けっこう色んな人から。

ーー 読んでいても丁寧に作られているという感じがしますが、そういうツッコミが入って良くなると。

今田 そういうツッコミ力みたいなところは、肝心な部分かもしれないですね。書く方としては、ちょっとメンタルをえぐられるところもあるんですが。めっちゃ赤入ってる、みたいな笑

ーー メンバーの顔ぶれとしては、編集長の今田さんはクルミドコーヒーのスタッフですね。他にもクルミドコーヒーの方はいらっしゃるんですか?

今田 現状だとあと一人、石川さんという方がいます。石川さんはクルミドコーヒーで働きながらフリーランスのライターと編集もやっていて、写真も撮られるんですが、「そういえば さぁ、」にも関わってもらっている感じです。

ーー 雑誌の発端としては、今田さんはクルミドコーヒーの出版部門をされてますけど、そのクルミド出版の企画として出てきたものなんですよね。

今田 そうです。クルミド出版からいくつか本を出しているんですが、本だと出るペースも遅いので、もう少し早くクルミド出版の活動を伝えられるものとして、雑誌がいいんじゃないかということで始まってます。まずはクルミド出版のメンバーでスタート。その後、近所に住む伊藤さんに声をかけて、また近所のデザイナーさんを紹介してもらって、そこから段々と広がったという感じですね。

伊藤 いまの9人も、それぞれ別のところでつながっていたりしていて。

今田 国分寺の中で、ここ何年かですよね。ちょっとずつ地域で、そういう動きができてきてる気がします。

ーー 準備号と創刊号は市販のプリンタで印刷していたそうですが、2号から印刷所に出されるようになりました。手応えのようなものもあったのでしょうか?

今田 若干の手応えという感じですかね。印刷が結構手間なんです。そこに労力を割いているのは勿体ないので、印刷は本業の人に任せて、自分たちはどこに届けるということに注力しようと。

ーー 配布場所は国分寺近辺のお店が多いですか?

今田 おばあさんの知恵袋、七七舎、まどそら堂…多いっちゃ多いか。あとはオリオン書房の国立のお店(PAPERWALL nonowa国立店)、荻窪のTitleさん、武蔵野プレイスという図書館の中のカフェ・フェルマータ、あとは閉まっちゃったんですけど紀伊國屋書店の新宿南店に置いてもらっていたり。あとはメンバーの一人に西東京市のお店に詳しい人がいて、西東京市のカフェに置いてもらったりしています。

ーー カフェもよさそうですね。

伊藤 意外とそういうところの方が置いてみたいって言われたりしますね。

今田 古本屋もそんな売れるかなと思ったら意外と出てますなんて声をいただいたり。必ずしも新刊書店だけじゃないという気はしてますね。お声がけがあれば、どんなところでも置きたいっていうのはあります。

伊藤 自分たちで営業しないとだけど、まだ全然行き届いてないですね。

今田 大手書店に営業かけなきゃってよりも、「そういえば、さぁ」に親和性が高いにも関わらずまだ声をかけられてないところがあると思ってて、届けるべきところに届けられるようやってこうと思ってます。

ーー 取り扱い場所も絶賛募集中ということですね。次号も楽しみです。ありがとうございました。

そういえば さぁ、

西国分寺のクルミドコーヒーを拠点に地域のメンバーで作る雑誌。主な取扱店は、クルミドコーヒー、PAPER WALL nonowa国立店、Title、COMMA,COFFEE など。販売店は随時募集中。

クルミド出版でオンラインでも販売

Twitter @souieba_sa