Btn appstore Btn googleplay
61w%2bwetgj8l

放火・脱獄という前代未聞の大罪を犯した高野長英に、幕府は全国に人相書と手配書をくまなく送り大捜査網をしく。その中を門人や牢内で面倒をみた侠客らに助けられ、... 続き

コメント

江戸時代末期の蘭学者(江戸時代は鎖国制度があったため外国のモノとしては長崎の出島でオランダと中国以外の交易は無かった為に洋学としてはオランダ語しかなく、その勉強をした者を『蘭学者』と呼びます。普通の方は知ってる、学校で習った事実みたいですが私は理系だったし、歴史に30歳ぐらいまで全く知識と興味が無かったモノで。)高野 長英の話しです。

歴史小説は基本的にその場を見た人はいません、事実であろう資料をもとに作者が想い描いたあくまでも小説です。

それにもかかわらず、この吉村さんの描く高野 長英は魅力的人物です。若くして故郷を離れて、親族に不義理を重ねて、またその事を軽く流してみたり、勉学に才能があり、またその事を鼻にかけたり、とワガママで身勝手な側面を持ちながらも、知識を身につけた為に自国の置かれている状況を憂いて、例え牢屋の中にいる身分であってかまわないから洋書を和解(和訳する事を昔は和解《ワゲ》と言うそうです、これも私は最近知った)させてくれと頼んでみたり。矛盾に満ちているようで人間味を感じさせる人物です。その長英の牢屋への入牢から脱獄を経て死までの逃走を追う小説です。

長英の人物としての魅力があり、またその時代における不条理にめげない信念を持った姿が良かったです。そしてそれにもまして、その逃亡する長英を助ける数多くの私意の人達が魅力あふれています。長英を助ける事はすなわち自分の身を危険にさらす事で、その危険は非常に大きく、また、取り返しの付かない事なのに、助ける人達。その人達の葛藤と想いが良かった。

しかし、私がもし全くの知識も興味も歴史に対して持っていなかった頃なら、きっと難しくて読めなかったと思います。

私が歴史に興味を持ったキッカケは三谷幸喜さんです。三谷さんのドラマ「古畑任三郎」が面白かったからいろいろ観る様になって、彼が歴史ギャグマンガ「風雲児たち」を強く勧めているのを何かで読んでから探して読みました、「風雲児たち」。

ハマリマシタ。これを読んでなかったら今までと同じく歴史に全く興味なかったと思います。おかげで今では歴史小説まで少し読む様になりました。

「風雲児たち」を読んでみて、気になった人物がこの高野長英と江川太郎左衛門英龍です。

「長英逃亡」読んで良かったです。「風雲児たち」が面白かった人達にはオススメです。

2006年 12月

読者

5dbe0e4b bc3f 440a b73e c5fedd4f340f

吉村昭の本

海の祭礼

海の祭礼

F08b30b2 2a02 45ec 9a46 9d8e834c0d28

hikumahika

森山栄之助の出世物語とラナルド・マクドナルドの人生を描いた歴史記録文学。英米などの開国要求により英語通詞の必要性が高まったが、マクドナルドの日本上陸と蘭語通詞森山が邂逅する奇跡がペリーやハリスらとの交渉に大きく貢献する。

8日前

海馬

海馬

Picture

渡辺洋介

神田村経由専門書版元

副題に動物小説集とあるように人と動物が関わることで起きる物語の短編集だが、対象はあくまで人間だ。マタギのような宗教性こそ帯びていないがストイックな姿の老猟師が魅力的な「銃を置く」、長年愛用していた銃を警察に引き渡すとき「長い間おれの身を守ってくれてありがとう、と、胸の中でつぶやいた」p.203 この場面が特にイイ。この短編は「熊嵐」からの時間軸でのつながりもある。 ただ、映画「うなぎ」の原作にもなった「闇にひらめく」、(「仮釈放」も一部原作になっていると思う)を筆頭に女性観がふた昔まえというかそんなに男性に都合のいい話があるかな?と感じるのも事実。ただ小説が書かれたのは今から30年~40年前なので当時の視点はそうだったのだろう。

3か月前

史実を歩く

史実を歩く

5965ac89 7374 4416 a719 27e42627144b

土川

よろしくお願いします。

丁寧な取材と資料の調査に感心しました。

1年前

プリズンの満月

プリズンの満月

79db7a27 65e0 4abe 91ce f246bca4f2bd

kuwa

小学生を相手に、日々働いています…

実在した森田石蔵という元刑務官の話や、彼が作ったという年表をもとにして書かれた小説。完全にフィクション。 ドラマのような感動や、物語の起伏はない。むしろ時間軸場所軸が前触れなく変わるから、吉村昭に慣れない人には読みづらい印象。 それでもやはり、あとがきにも書かれていたけど「共苦」の感情を作品の基底においてあるところが、日本人たる自分の心を揺さぶる。 戦争責任なんて、個人はおろか、国単位で考えてももしかしたら存在しないんじゃないかと思った。

1年前