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旅をしている人にだけ見えてくる風景がある。そこには特別な光があり、特別な風が吹いている――ボストンの小径とボールパーク、アイスランドの自然、「ノルウェイの... 続き

コメント

村上春樹がよく言う「ねじを締める」という言い回しがあるけどこの本では、95年に書かれた「チャールズ河畔の小径」だけねじがぎゅっとしまった緊張感のある文体で異質感をとても感じる。それ以外はねじを緩めすぎないで温泉につかったようなゆるさ。「チャールズ河畔」から「漱石からくまモンまで」およそ20年以上の歳月が流れており文章の変化を感じるのも面白い。自分は村上春樹の良い読者ではなく長編小説を理解できることがあまりないけど、「雨天炎天」や「遠い太鼓」など初期の紀行文は何度も読み返すほどで、「チャールズ河畔の小径」のねじの締まった感じ例えば以下の文
「僕らを取り囲んでいた深い圧倒的な緑が、少しづつほのかな黄金色に場所を譲っていく。そしてランニング用のショートパンツの上にスウェットパンツを重ね着するころになると、枯れ葉が吹きゆく風に舞い、どんぐりがアスファルトを打つ『コーン、コーン』という固く乾いた音があたりに響き渡る。そのころにはもう、リスたちが冬ごもりのため食料集めに目の色を変えて走り回っている」p.14
なんてものすごく良い。

「女の子たちは芝生の上にタオルを敷いて、iPodを聴きながら、すごく気前のいいビキニ姿で日光浴をしている」
p.14
初出の95年当時にiPodはないと思うけどあくまで初出ということで加筆する前の文章も読みたいところ。

やはり村上春樹の紀行文は良いなあと。旅の良いところ(微妙だったところも含めて)暖かい眼差しで描いている。

1番気に入ったのはアイスランドの章。死ぬまでにオーロラは見ておかねばなあと。

どんな紀行文を読んでいても、作家さんはどこの旅行先でも面白い体験をしていて、その出来事だけで何十枚も文章を書けるほどだからよほど旅行の仕方が上手なんだなぁと思っていた。しかし今読んでみると、作家さんは、その土地を感じる、という行為をいろんな方法や角度から実践していて、そのことが面白い体験に繋がっているように感じた。特別なことが必要ではなく、自分でもすぐにできることで、これから実践していきたい。

村上春樹の紀行文はやはり好き。ラオスだけじゃなく色々な国の文がある。かつて住んでた所を巡るっていいなと思った。ギリシャの魚料理の描写は他の紀行文でも読んだし、スプートニクの恋人にも出てきたけど、いつ読んでも異常に旨そう。ラオスが1番面白かったな、川や寺や僧侶達の迫力みたいなものがあって。

フィンランドの不思議鳥パフィンのクリアな人生観に刮目し、ラオスのメコン川を畏怖する。そんなハルキムラカミが各地で猫と触れ合い、割とリッチな滞在を楽しんできました、な紀行文。

思っていたような人とは違うみたいだけど、思ってもいないようなところが見れそうな、そしてやっぱりハルキ節なんだなぁと思ってまたねじまき鳥でも読み返そうかなぁなんて。

とりあえず美味しいものを食べる旅に出ようと思いました。

読者

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3日前

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19日前

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約1か月前

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