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恐怖と笑い、幻想とリアリズム、痛烈な諧謔-。稀有の文章で自らの世界を紡いだ百〓@6BE1文学から、『冥途』『旅順入城式』以降に執筆された短篇小説21篇を初... 続き

コメント

チゴイネルワイゼンの作者、サラサーテの自作自演の録音には、本人が何かを言っている声が入っている。それを聞いて、死んだ同僚の妻が、「いえ、いえ、違います」と呻いて泣きだすのだ。この短編集は何か不思議な不合理な世界に引き込まれてしまう。

読者

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内田百けんの本

東京焼盡

東京焼盡

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渡辺洋介

神田村経由専門書版元

緊急事態宣言が出るのかどうか?コロナ禍に揺れる2020年東京だが万が一の為に今週の通勤時に読み備える。 昭和19年10月より8月敗戦直後の空襲警報が頻発する戦時下東京の日常を百閒が綴る。 皮肉とユーモアとそれすら覆い隠せなくなってきた焼け出された後の小屋暮らしが辛い。 7月を過ぎると食料も尽き掛けどんどん悲惨になっていくがあともう少しで戦争も終わりますよ!と呼びかけながら読む心持となった。 3月10日の東京大空襲までは比較的平穏というか晩酌に麦酒も出るしお酒も出る。 とにかく百閒先生はお酒が大好きだ。戦時下だろうが関係ない。 食卓は10年ほど前の年前の御膳日記(毎晩の食事を書き留めている)と比べれば隔世の感ありと書いてあるが、これはまだまだ序の口と知っているのも辛い。 この後腐りかけた米を炊いて食べられず水で洗い流して再度食べたりもする。 もちろん辛くなるだけではなく、百閒流の練られた文体が心地よい箇所もあり。 「郵船に帰りて、夕省線電車にて帰る。暫く振りの曇り空にて甚だ寒し。帰った後夜は雨となる。夕食後炬燵にあたっていて、もう寝ようかと思う。だいぶ前から消防自動車の警笛の音が引っ切りなしに聞こえていたが、そとは寒雨にて寒そうだから出てもみなかったけれど、いよいよ眠ることにきめて炬燵を離れた序に表を開けてみると雪になったらしく、道の向こう側が白い。しかしそこだけがずっと帯の様に明るく、又気が付いてみると向こう側の家並みの屋根が暗い中にはっきり見える。丁度こちら側のうしろから反対に月が射した様にて不思議なり。」p.42 この情景が浮かぶ描写とリズム感が良い。

約2か月前

東京日記 他六篇

東京日記 他六篇

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cobo

昔の記録に

私は内田さんの本は僅かしか読んだ事ありません。中でも強烈な印象として「ノラや」と「御馳走帖」というごくごく初歩の者なのですが、少し感想を書き込んでみたいと考えます。あくまで私個人の感想です。 どの話しも僅か3ページくらいの短さで、この面白さ、ヒロガリ、放り方は絶品で、語り手である「私」に降りかかってくる奇奇怪怪な物語の連作短編です。東京の普通の町並みの中に、突然、しかも大きな意味を感じさせないで、奇怪な生き物や、ちょっと不思議な出来事に巻き込まれる私の話しなのですが、その飄々とした感じと可笑しくもあり、不思議でもあり、出来事に対してとても冷静な観察をしつつ、放り出されるかのような話しの切り方にもまた、複雑な余韻を読み手に残し、楽しませてくれる素敵な短編集です。 私個人としては、「ノラや」の内田 百閒さんを「私」と想像しながら読んでしまったので、どうしても可笑しみのような(哀愁漂う老人でありながら、ひとつの執着にとことんダメになってしまう「私」を想像してしまい)ものをより大きく感じてしまい、とても楽しく読みました。 東京のとてもよく知られている地名(三宅坂、数寄屋橋、麹町、有楽町、銀座、市ヶ谷、麻布十番、雑司が谷、神田に果ては丸ビルまで!!)が出てくる為にどうしてもその場所を思い描き、さらに、そこへ内田 ノラやの頃のような女々しくも可笑しい 百閒さん=「私」を想像してしまい、描写なんて詳しくないのにとても細かく想像してしまいます。生死に係わるような出来事ではないのだけれど、不思議でちょっと普通ではいられなくなるような出来事であるのに、平然と観察して受け入れてしまっている百閒先生の東京案内のような、それも自分に語りかけるような(だからこそ説明を省き、自身が思い出されれば良いかのような書き方、つまり)日記なのです。日記と表記する事でより自然にこの不思議な感覚の文章になじんでいけたのだと思います。 また少しばかり妖艶な話しをとぼけた味わいにしてみたり、物騒な事件を混ぜてみたりと、とにかく独特の語りで読後感です。奇奇怪怪な出来事が生み出すちょっとした、日常を少しだけ「ずらす」事による可笑しさを、原因をはっきりさせないうやむや感が醸し出す雰囲気を、そしてそんな「東京日記」を読んだ私たち自身の生活のふとした何気ない瞬間を意味ある、笑える、想像させる自由の楽しさを生み出すキッカケになる、そんな短編集です。 私の特に好きなお話しは、銀座のとんかつ屋さんと稲妻の話し、箏(こと=楽器の琴)の練習と連弾のお話し、目玉の味と簡単なつくりの耳のお話しです。昔話しみたいなのに昔話しでない、妖怪のせいにしそうでしない、東京案内のようでいて日記な、そんな短編集です。人は他人の日記を読むのが好きです、あなたもきっとその楽しさを味わえます。心にゆとりを与えてくれる(奇奇怪怪を楽しめる)そんな状態にしてくれます。 東京に興味がある方も、ない方も、不思議な世界を垣間見てみたい方に(その原因を突き止めたり、単純な冒険活劇をお求めの方はどうぞハリウッド映画を観ていただくとして)オススメ致します。 2008年 7月

約3年前

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ノラや

ノラや

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Little Flapper

仕事にまつわるしごと、ときどきア…

2015.11.23 BUKATUDO文化祭一箱古本市にて売れた本

4年前