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大人の凝り固まった常識を、子どもたちは軽々と飛び越えていく。優等生の「ぼく」が通う元・底辺中学は、毎日が事件の連続。人種差別丸出しの美少年、ジェンダーに悩... 続き

コメント

久しぶりにすごく好きな本に出会った。

この本の冒頭で「若者はすべてにぶち当たる」という言葉が出てくる。このフレーズを読んだとき、ハッとした。今、大人になった私は生きるのがとても上手になってしまったなと感じたのだ。自分の気持ちに折り合いをつけたり、危険な場所•人物を避けたりして、どうにか「ぶち当たらない」ように生きている気がした。もしくはぶち当たっているのに、「そういうもの」として受け止めて、思考を止めてしまっているのかもしれない。

この本でもう一度自分の身の回りのことや仕事のことなどを考え直してみようと思った。

ライターのブレイディみかこさんが、イギリス南部の元底辺中学校に通う息子さんとの生活を綴っている本書
この息子さんがすごい
ごく普通の日常で直面する人種差別や経済格差にほれぼれするほど真っ直ぐ向き合い、悩み、乗り越えていく
もちろん、彼からの問題提起に強くあたたかく答えるブレイディさんと、なんとも味のあるアイルランド出身のお父さんの存在も欠かせない
おかしくもありせつなくもある彼らの日常から、これがイギリスだけではなく世界の現実だと気づかされる一冊だった

息子の視点からの面白さと、そもそもの英国の教育からくる面白さの両方を楽しめた。

幼い頃は単純に「ハーフのあいつカッコいい」とか「外国に親戚いたらいいな」とか考えていたが、さまざまな分野が多様化する現代において、それぞれに価値観や葛藤があることを今一度頭の片隅に残しておく必要を感じた。

EUや人種差別問題について学べば、もっと深い視点で読むことが出来るようになると思う。

2019年にノンフィクション大賞を受賞し
イギリス在住のライターであるブレイディみかこさんがみた自身の息子の中学校生活を描いたノンフィクション作品。

私が1番心に刺さったのは
「マルチカルチュラルな社会で生きることは、ときとしてクラゲがプカプカ浮いている海を泳ぐことに似ている。」
という一節。
どれだけ、想像力を働かせたとしても
"自分の発した言葉が、起こした行動が誰かを傷つけているのかもしれない。"
そんな風に思うことがよくあるので、この言葉が刺さりました。
それでも考え続けることが大事で、よくある言葉だけど、失敗して学べばいい
そんな風に言ってくれているような気もします。

"多様性"という言葉に対して、どこか実感がわかなかったり、忙しい中で考える余裕がない方、
きっとこの本のどこかに自分と重なる部分があるので、読み終わったあと少しだけ"他人の靴を履いてみよう"と思えるかもしれません。

~学校という社会の縮図で起こったロックな一冊~

*思うがまままとまらないまま綴った私の感想*

多くの家庭が中間層だった日本が今、格差社会に入ってきている。少子高齢化、外国人労働者の受け入れでこれまでにない価値観が多く求められていくことは目に見えている。‥‥なんだけど、多様化ほど難しいものはない。めんどくさいものはない。なぜならimagineが必要だから。(古くはビートルズがimagine all the people~って熱唱していたけど、戦争も差別もなくならないでしょ?悲しいけど人間はimagineがめんどくさい。できれば自分の知る安全な世界以外入れたくないんだ。)でも、この本を読んだらジョンレノンの想いは永遠に届いた方がいいと気づく。

昔、日本に住む英国人に日本と英国はとっても似ているよって言われたことがある。その影響もあって、私には本書で著者のみかこさんと息子さんが経験したようなことが日本でも起きる(もしかしたら起きているかもしれない)ような気がしてならない。だから、偉そうに指図するつもりはないんだけれど、とりあえずお母さんは読んだほうがいい。子供も読んだほうがいい。ていうか人間は読んだほうがいい。

この本では差別、偏見、分断、多様化などが印象的なキーワードだけど、教育も大事なキーワード。教育とは目標とする職業に就く、何かしら人より上のレベルの能力に達する為ではない。自分とは違う人と共存していく為にあるもの。そう感じた。

最後に。私がハッとさせられた息子さんから出た言葉を。自分がそうならない為に。「僕は、人間は人をいじめるのが好きなんじゃないと思う。‥‥‥罰するのが好きなんだ」

著者の優等生息子が人種や生活階級様々な元底辺中学校に通う話。学校や生徒の様子、息子の様子、息子と母とのやりとりを軽やかな文章で語るエッセイ。
イギリスはブライトンの元底辺中学校に在籍する息子は人種差別や、友達が非常に貧しいが為に起こる問題に直面する。まだ幼いが何も分からないわけではない中学生という年齢の息子が世界の縮図のような問題ばかりの学校生活を送り、何をみているのか。時折素直な心で純朴だが難しい質問を母に投げかけ、真っ直ぐに答える母の誠実さにも感心する。
日本でも世界のどこでも、一定以上の恵まれた生活を送っている人は、子の安全のため、あるいは子を安全な空間に入れていることに自身が安堵する為に、世の中の様々な問題に蓋をして、見えないことにすることで、世界は均一で平和であるんだと言い聞かせる。しかし、実際は過去数十年と比しても格差の拡大は拡がり、グローバル化の拡大に並行して人種差別や多様性への不理解は進んでいる。そのような時代にそれらの問題を隠すのではなく、見せ、体験させ、親も共に向き合うことで子供にリアルを学ばせる大切さが分かる本。

子供の世界って、大人よりもずっと大人なのかも。

他人の靴を履いてみる努力を人間にさせるもの。そのひとふんばりをさせる原動力。それこそが善意、いや善意に近い何かではないのかな。

「でも、どうして僕にくれるの?」 
「友だちだから。君は僕の友だちだからだよ。」

「寄り添う」ことって距離感がむずかしいです。でも忘れたくないです。

情けないけれど、私にはもう少し『エンパシー(empathy)』が必要かもしれない。今読めて良かった!

多様性を認めるとはどういうことかを考えさせられる。子どもは何も知らないからこそ先入観なしに他者を受け入れることができるが、一方で違いを知るからこそ思いやりを持って他者を認めることもできる。

世界の縮図のような地域で生きているティーンの日常。どんな所でどんなふうにに生きていても子どもは自ら学んで成長していくんだなあ、と感心もしたり。

思春期のお子さんとカッコよく向き合えてる親子像がうらやましい!子どもたちには、目の前の事象を自分の心で直に受け止め、自分の頭で考えて応じられる大人になってほしいとつくづく思う。

マイノリティの中学生の視点で考えるイギリスと日本社会。

多感な中学生、その目線を通した気づき。
そうだった。子どもは小さな時から色んなことを感じ、考えている。

2020年43冊目。2020/2/1

読者

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