9784309029054

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【第163回芥川賞候補作】2019年文藝賞でデビューした新鋭による第2作。

遠野遥の本

改良

改良

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Kenny

書くこと、読むこと、走ること

美しさを求めるのは必ずしも女性の特権ではなく、女性の姿をすることが美しいと感じていて、それを求める私がいるのも別におかしいことではない。確かに、自分だって男に性器を触られたら勃起するだろうし、女に触られても然りだ。あるのはこう美しくありたいという願いだけで、そこに男も女も関係ない。性の多様性という問題は「男」と「女」という2つのカテゴリーから自由ではないが、この遠野遥『改良』で語られているのはすでにそれらのカテゴリーの軛から自由だ。 河出書房のつけた「ニヒリズムの極北」「困惑そして驚愕」という謳い文句が的を外れていることはなはだしい点は置いておいて、遠野遥が後半にかけてみせる筆の畳みかけよう、展開の作り方は大変興味深い。 それは明らかに全体を通して抑制が効いている語りであることを前提に、それでいて「カオリ」に対して一気に沸点に達し、多目的トイレではセリフを全く使わず緊張感を出させる。テンポが会話だというのはそうだけれど、人間は本当にシリアスな場面ではどちらかというと無口なほうかもしれない。

12か月前

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